Mr.Guu流行るにはワケがある!#24
#24 今、日本の熱い飲食店たち

秋が来ないですぐにでも冬が来てしまいそうな肌寒い日が続き、もうすでに夏が恋しくなっています。今年は日本の蒸し暑い夏を久々に体験したせいかトロントの夏には十分に満足できませんでした。来年はカラッと暑いトロントの夏を期待します。
先月は日本の産業展への参加の模様をお伝えしましたが、今月はその出張の際に行った飲食店リサーチの模様をお伝えします。以前にもニューヨークやロスの飲食店リサーチの模様はお伝えしましたが、限られた日程の中のリサーチなので、毎日かなりの数の飲食店に足を運びます。料理はもちろん、店内デザイン、サービス、食器、オペレーション等をリサーチするために昼も夜も2、3件のはしごはざらにします。 いくら食べログで上位でも私の好みではない店もあるし、小さな個人店でもとても参考になる店もありますので、自分で行って自分で食べて自分で店の雰囲気を味わう事はとても重要な事だと考えています。
今回のリサーチで一番衝撃を受けたのは、今メディアに引っ張りだこの「俺の株式会社」が運営する店でした。中古本販売のブックオフの創業者の方が作った会社で高級なフレンチやイタリアンを立ち飲みスタイルで居酒屋並みの安さで販売する、飲食業会の常識を覆した異色な飲食店です。働いているシェフはほとんどがミシュランで星をもらっているレストラン出身の方ばかりで、味とボリュームは高級レストランと同じ。でも価格はビックリする程安いんです。フォアグラの乗ったステーキやオマール海老が1280円、13種も乗った刺し身盛り合わせが880円、焼き鳥1本56円と驚きの価格にも関わらず、ジャズの生演奏を聞きながら飲食出来る店舗もあるんです。立ち飲みでもこの価格なら文句を言う方はいないかと思います。この価格なので食材費の原価は60%を超えるとの事で、正直他の飲食店では太刀打ち出来ないやり方にはビックリですが、ここの秘密は回転率です。最低でも3.5回転しないと赤字ですが、それ以上回転すれば確実に利益を生むシステムになっているそうです。イタリアン、フレンチ、焼き鳥、焼き肉、割烹と既に5つのブランドがあり、ニューヨーク進出も視野に入れているとの事で、今後の動きにも要注目です。
また、この俺の株式会社が創業時に意識したと言われている「魚金グループ」もとても印象に残っています。今回の滞在が東京の新橋だったのですが、新橋周辺に居酒屋からイタリアン、立ち飲みのバルまで幅広い業態で13店舗もあるサラリーマンに人気の店です。この店の売りは魚。居酒屋なら刺し身、イタリアンならカルパッチョと同じ魚ですが商品提案やデコレーションが違います。ボリュームはしっかりあるのにこの店も価格が安い。新橋界隈にあれほど飲食店があるのに、魚金グループの店はいつも満席。新鮮で美味しくボリュームもしっかりなのに安い。やはり人気がある店には理由があります。
ラーメンでは銀座の「篝(かがり)」が新発見でした。鶏白湯SOBAという濃厚な鶏ラーメン。8席しかない狭い店のため常に行列がある店で、まるで割烹の職人さんの様なスタッフが作る繊細な味のラーメンは美味。日本では鶏白湯ラーメンが流行っているとの事で数件行きましたが、トロントでも早く美味しい鶏ラーメンを食べたいですね。
価格競争で勝ち残るためにただ安売りする様な飲食店はしたくないですが、お客様にバリューを感じて頂き、満足して帰って頂ける飲食店を目指していきたいと思います。お客様からお金を頂く飲食店なので、美味しくて当たり前、サービスが良くて当たり前。それ以外にも何かお客様に付加価値を感じて頂ける様な店作りをこれからも心掛けていきたいと思った今回のリサーチでした。
続く
小笠原 克
Ogasawara Masaru








