新発売「サッポロ・レモンサワー」が引き立てる春、ホタルイカのパスタ|食の編集部食べ歩きシリーズ#トロントグルメ部
どうしても、合わせてみたくなった。カナダで発売されたばかりのレモンサワーと、旬を迎えた富山産のホタルイカ。頭の中で、その相性が静かに結びついてしまったのだ。気づけば、春の日差しを浴びながらキッチンに立っていた。
オリーブオイルにガーリックを落とした瞬間、ふわりと広がる香ばしさ。その奥から、ホタルイカの濃密な海の気配がゆっくりと立ち上がる。火入れした身は艶やかに膨らみ、ひと噛みすればワタの深い旨みがとろりとほどけていく。
軽く含ませた白ワインが全体をやさしくつなぎ、仕上げに垂らしたチリオイルが、じんわりとした刺激で味わいに芯を与える。さらにイクラがぷちりと弾け、塩味とともに旨みの層をもう一段押し上げる。
濃厚でありながら、重たさを感じさせない。口の中で、美味しさが幾重にも重なっていく。
そこにレモンサワーを添える。淡く濁る液体の奥から、ピュアな柑橘の香りが静かに立ち上る。
ひと口含めば、レモンの輪郭がすっと現れ、皮のほろ苦さをかすかに残しながら、キレのある酸とやわらかな炭酸が舌をすべる。甘さは抑えられ、ドライな設計。
北米のRTDにありがちな重さはなく、驚くほど軽やかに消えていく。それでいて、ウォッカの芯が静かに全体を支え、味わいに輪郭を与えている。
飲み進めるほどに、このレモンサワーの魅力に気づく。ホタルイカの濃密な余韻に、すっと重ねるように口に含むと、柑橘の酸がその旨みをやさしく洗い流し、オイルのコクを軽やかにほどいていく。喉を通る瞬間は実に軽快で、余計な甘さを残さない。気づけば、また一口。
最初の乾杯でぐびっと飲むだけでも気持ちいい。だが真価は、料理と向き合い、寄り添い、引き立てるところにある。その絶妙なバランス感覚こそ、日本の食文化が培ってきたものだろう。
やはり日本ブランドだと思う。飲み物が一歩引くことで料理が生き、料理があることで一杯がさらに美味しくなる。その往復の中にこそ、本当の旨さがある。次はどんな料理と合わせてみようか——そう思わせる一杯である。
“Inspired by Japan’s traditional and most popular cocktail”と謳われるこの一本は、ウォッカにフレッシュレモン果汁と炭酸を合わせたシンプルな構成。口に含めば、ピュアで弾けるような柑橘のニュアンスと、キレのある爽やかな酸味が広がる。軽やかでありながら、味わいの芯はぶれない。グリルした魚介や寿司にも寄り添うという設計は、まさに食中酒としての完成度を示している。













