東京神楽坂の茶寮スイーツと5年連続ミシュラン1つ星の金色不如帰ラーメンに出会う|#トロントグルメ部|食の編集部食べ歩きシリーズ
一杯のラーメンと、一口の甘味

トロント・ノースヨークに佇む「Saryo Café+Konjiki Ramen」は、東京で名を馳せる和カフェとラーメン店が、それぞれ海外初進出として結ばれた特別な一軒だ。同じ空間の中で、甘味から食事、そして一杯のラーメンへと、食の時間を自然な流れで楽しめる構成になっている。
まず迎えてくれるのは、神楽坂発の和カフェ「Saryo」。抹茶を軸にしたドリンクや濃厚なソフトクリーム、わらび餅やあんみつといった和菓子が並び、視覚にも楽しい“かわいさ”と、心がほどけるようなやさしい甘みが印象的だ。カフェとして気軽に立ち寄れる懐の深さが、この店の入口をやわらかく開いている。

そして同じ空間で、食のリズムを鮮やかに切り替えるのが「Konjiki Ramen」。世界的に評価されている定番の一杯から、オリジナル性を追求したラーメンまで幅広いラインナップが揃う。さらに「Saryo Gozen」と名付けられた定食や丼もの、ラーメンとのセットメニューなど、選択肢は実に豊富だ。
甘味から食事、そしてラーメンへ、あるいはその逆もいい。二つの名店が寄り添うことで生まれたこの場所は、目的に縛られない自由な食の時間をノースヨークにもたらしている。
Downtown: 41 Elm St, Toronto
Yorkdale Mall: 3401 Dufferin St, North York
「ラーメン+ちらし丼」「ラーメン+ソフトクリーム」という新定番

近年、ラーメン店でセットメニューの幅が広がっているが、食のリズムを楽しむ“カフェ飯的”な組み合わせだ。

「ラーメン+ちらし丼」は、酢飯のほどよい酸味、ラーメンとは異なる食感が、口の中に自然な切り替えをもたらす。定食というよりも、どこか洗練されたカフェプレートの感覚に近い。


また、「ラーメン+ソフトクリーム」は、抹茶や北海道ミルクのソフトクリームが、ラーメンの余韻を遮るのではなく、受け止める存在。濃厚でありながら後味は軽く、塩味と旨味の記憶をやさしく包み込み、締めの甘味として素直に「好きだ」と思える組み合わせになっている。
自家製うどんを組み合わせた御膳ラーメンにとどまらない、独創的なメニュー構成


この店の魅力は、看板であるラーメンだけにとどまらない。アペタイザーには、唐揚げといった日本の定番に加え、「わさび風味のスパイシー海老マヨ」や「豆腐ナゲット」など、遊び心と工夫が光るオリジナルメニューが並ぶ。ご飯ものも充実しており、牛丼やチャーシュー丼に加えて、麻婆豆腐丼といった個性派も用意されている。

なかでもランチタイムに高い支持を集めているのが、自家製うどんを組み合わせられる「SARYO御膳」だ。数種類の丼ぶりにドリンクやデザートが付き、さらに好みに応じて自家製うどんを加えることができる構成は、しっかり食べたい人にも満足度が高い。価格帯も抑えられており、ランチスペシャルとして人気を博している。

東京発・世界を席巻した「蛤ラーメン」の原点

最大の特徴は、蛤の旨味を主軸に据えたスープの構造だ。単一の素材に依存するのではなく、蛤の出汁を起点に複数の出汁を三重、四重に重ねることで、海の香りと滋味が層を成す奥行きある味わいを生み出している。

口に含んだ瞬間に広がる透明感のある旨味、そして静かに続く余韻。その完成度は口コミでも高く評価され、「蛤をはじめとする複数の旨味が折り重なり、圧倒的な深みを生む」と語られてきた。東京で今なお行列が絶えない理由は、まさにこの一杯に集約されている。
個性際立つ独創的なラーメンの数々

トロント店の魅力は、その多彩かつ独自性の高いメニュー構成にある。ハマグリを軸に据えた「Signature Clam Intense Shoyu」「Signature Clam Mild Shio」といった出汁系ラーメンは、鶏・豚・海の旨味が三位一体となった、清らかで奥行きのあるスープが特徴だ。ポルチーニやトリュフオイルといった香味を重層的に用いることで、和の出汁に洋のエッセンスが静かに溶け込み、他にはない独創的な味わいを生み出している。

さらに目を引くのが、「和牛ラーメン」や「ロブスターラーメン」といった贅沢な一杯だ。和牛ラーメンでは、上質な和牛の脂と旨味がスープに穏やかに溶け込み、重さを感じさせないバランスに仕上げられている。一方のロブスターラーメンは、甲殻類特有の甘みと香ばしさを前面に押し出しつつ、出汁全体の調和を崩さない設計が秀逸だ。

ベジタリアン向けには「アボカドラーメン」も用意されている。クリーミーで満足感がありながらも軽やかな後味が印象的だ。ラーメンという枠組みの中で、多様な食文化や嗜好を受け止める柔軟さ。その姿勢こそが、多文化都市トロントにおいて支持を集める理由のひとつだろう。
柚子エビ塩ラーメン ― 香りが記憶に残る一杯

個人的に、リピート中なのが「柚子エビ塩ラーメン」だ。ベースとなるのは、魚介の旨味を高い密度で重ねた澄んだ塩スープ。そこに柚子の香りがふわりと立ち上がり、エビと貝のニュアンスが静かに重なっていく。
ひと口目で感じるのは、エビのやさしい甘みと柚子の清涼感。しかし、どちらかが前に出すぎることはなく、あくまでスープ全体の設計の中で調和している。飲み進めるほどに、香りと旨味のレイヤーが少しずつ表情を変え、最後まで飽きさせない。
香りで始まり、余韻で終わる。柚子エビ塩ラーメンは、この店の出汁設計の巧みさを最も端的に体感できる一杯だ。

SARYOの魅力は、大人気の抹茶やほうじ茶を使ったドリンクや、最近注目の北海道産ミルクを活かしたソフトクリームにある。濃厚さと透明感を併せ持つ抹茶ソフトは、ラーメンの余韻をリフレッシュする清涼感をもたらす。あんみつやわらび餅は、和の伝統をモダンに表現し、抹茶やあんことのコントラストが心地よい。











