契約や入居についてのQ&A|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第42回 】
今年の夏はトロントに人が戻ってきているのか、郊外の戸建てやタウンハウス、ダウンタウンのコンドミニアムともに賃貸マーケットは活発だったと思います。昨年と全く異なり、コロナ前のようにお部屋を探すのに苦労された方も多いと思います。今回は、皆さんからよくご質問をいただく契約や入居に関する内容について、Q&Aでお話したいと思います。
Q.気に入った部屋を押さえることはできますか?
A.トロントでは通常の賃貸契約においては、日本のように2、3か月後の入居日のために物件を押さえておく、ということはできません。①オファー(賃貸契約の申し込み)をする、②オーナーからオファーの承諾をもらう、③デポジットを支払う、という3つのステップが完了して初めて契約が完全に成立となり、物件を押さえることができます。
Q.契約成立した後に、内容を変更することはできますか?
オーナーはオファーされた内容でOKを出しているので、基本的に契約成立後に内容を大きく変更することは難しいです。またお部屋の状況は修理が必要な基本設備を除き、AS IS CONDITION(現状のまま)での引き渡しが原則となります。例えば部屋に置いてある家具を一部または全部撤去してほしい、クリーニングをしてほしい、カーテンが無いからつけてほしい、網戸を修理しておいてほしい、など要望がある場合には必ずオファーの際に契約書に記載し、オーナーから了解を得ましょう。
Q.契約成立した後に、契約を破棄することはできますか?
デポジットを支払い契約が完全に成立した後、入居までに契約を白紙に戻すためには、Mutual Releaseという貸主・借主双方がサインをした書面の取り交わしが必要となります。オーナーにとってはせっかく決まった契約なのにこれを白紙にすることは不本意ですし、デポジットを返金してくれない可能性もあります。もし契約成立後に気になることや確認したいことがある場合、契約書の中にその旨を事前に記載することをお勧めします。
例として、内見する前に契約はするけれど、実際の内見をして最終決定することを条件にするなど、が挙げられます。賃貸も売買も同じですが、オーナーは条件付きのオファーは非常に嫌がります。特に賃貸においては、通常ほとんど条件無しとなりますので、オーナーにとってリスクやコストのかかりそうな条件や要望を出すとオファーが通らない可能性も高まることになります。
Q.オファーを出した際に他からも複数のオファーがあった場合、どうしたらいいですか?
自分がオファーした物件に他からもオファーが入り競合となった場合、オーナーは主に①入居者の属性や支払い能力、②賃料、③入居日、④デポジット、などを勘案して自分にとって一番いい人を選びます。他からいくつオファーが入っているかは教えてもらえますが、賃料やその他具体的な内容については教えてもらえません。日本や他から赴任したばかりでクレジットスコアが無かったり、学生の方の場合には、なるべくデポジット(賃料前払い)を多めに支払うことでオーナーがより安心することも事実です(ただしオーナーはデポジットの金額を借主に求めることはできませんので、あくまで借主の任意となります)。自分の中でここまでの金額なら支払ってもいい、いつからなら少し早めて契約してもいいなど、境界線を決めて自分が出せるベストオファーを試みましょう。

また、今年の夏のダウンタウンでの賃貸マーケットは去年のコロナ最中とは打って変わり、非常にし烈な様相でした。特にダウンタウンでは好立地・良物件の賃貸物件に対して複数のオファーが入り、募集価格から100ドル~500ドル(時には800ドル近くも!)もアップして取引されたケースも少なくありません。特に6月後半~8月後半にかけてはもっとも動きのある時期ですが、1~2週間の差で賃料が上がってしまうケースも珍しくありませんので、早目にお部屋探しをすることをお勧めします。
Q.契約書に書いてある保険はどんな保険ですか?
賃貸住宅を借りる場合、借主(テナント)はテナント保険に加入する必要があります。テナント保険は日本でいう入居者が加入する火災家財保険に相当します。オーナーは管理費の一環としてビル保険、それとは別途オーナー保険に入っていますので、1つの建物・物件に対して3つの保険が存在することになります。
例えば借主の不注意でお風呂の水が溢れてフローリングをダメにしてしまったなど借主の過失で損害が生じた場合、テナント保険の火災保険(Fire Insurance)が適用されます。また例えば上の階の人の過失で自分のパソコンが損害を受けた場合、テナント保険の家財保険(Contents Property)が適用されます。オーナーが入っているオーナー保険は借主の家財は守らないので、火災家財両方への保険加入が必要となります。
駐在員の方、学生の方など在住資格等によって加入できる保険会社や保険金額は異なります。学生2人で部屋をシェアする場合にはお二人それぞれ加入が必要です。また、オーナーによっては賠償金額は最低200万ドル以上で加入してほしい、など指定する場合もありますので賃貸契約書を確認してください。
Q.契約成立後、鍵受領に際して必要な事項は何ですか?
オーナーから鍵を受け取るまでに準備が必要なことは、上述した①テナント保険への加入、②インフラのセットアップ(ある場合)、③デポジットや小切手など入居時に渡す必要があるものの用意、の3つです。
②は電気、ガス、水道のインフラ関連について、契約書に示されている通り、入居者が負担すべき光熱費についてオーナー側に関連会社について確認し、オンラインや電話で自分名義の新しいアカウントをセットアップします。日本のように前の入居者が退去したらすぐにインフラも停まってしまう、ということはほとんどなく、名義だけ入居日から変更しておくという形式になります。戸建てですと、電気、ガス、水道のすべてを入居者が負担するケースが多いです。

③はキーデポジット、ペットデポジット、追加の賃料デポジットなど各種デポジットがある場合はこれをバンクドラフトまたは個人小切手で用意します。また、1年間における残りの月分の賃料を日付指定の小切手(Post Dated Cheque)で一括してオーナー側に渡す必要がある場合、自分名義の個人小切手にオーナー名、日付、金額を記載し署名したうえで渡します。特にテナント保険がないと契約開始日が来ても鍵を渡してくれないオーナーも多いですので十分に注意してください。
契約後・入居時にトラブルがないよう、契約内容はしっかり確認し、必要時はオーナー側とのこまめなコミュニケーションをはかりましょう!
※弊社では、契約内容に関するご質問、ご相談等も承っております。売買、賃貸、管理など不動産に関するお問合せについていつでもお気軽にご相談ください。






