住宅不動産の『賃貸 VS 売買』|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第54回 】
今回は住宅不動産の「賃貸VS売買」についてお話したいと思います。
今年の夏の賃貸マーケットは、エージェントと話すたびに「Crazy!」と口を揃えて話すほど、大変し烈な状況だったかと思います。賃貸ニーズがこれほどまで高くなった要因は主に3つ挙げられます。
1. 夏の繁忙期シーズン
9月の新学期·新生活スタートに伴い、元々6月~8月にかけては、1年の中でも最も不動産取引が活発になる時期で、賃料も高くなる時期です。オーナーは自分の物件の類似物件や同じ建物内の物件の貸し出し状況を見ながら、賃料をアップすることもしばしばです。
2. トロントへの人口流入
今年は特にコロナ以降はじめて大学等の学校や職場への復帰も始まり、コロナ前に比べてもトロントへの人の流入は増えたと感じます。
3. 住宅ローン金利引き上げ
前回お話しましたように、今年4月以降の住宅ローンの金利の引き上げに伴い、家を買いたかったけれど難しくなり、借りることを余儀なくされている人が増えています。
前述の点により例年に比べて賃貸需要が増えている一方、本来ならば借りていた人が賃貸住宅を出て物件購入するところ、賃貸を継続していることから、賃貸マーケットは完全に売り手(オーナー)市場となりました。複数の人が1つの物件を取り合うことも少なくなく、そうした場合、Bitting Offerと呼ばれる賃料が吊り上げられて取引されるケースがしばしば見受けられます。
今は物件購入のチャンス?!
日本と比べても賃料が非常に高いトロント。1ベッドルームの実際の平均賃料は2000~2300ドル程度、日本に置き換えると1LDKのお部屋が22~25万と、非常に高いといえるでしょう!また住宅ローンの金利アップで購入希望者が少なくなったため、今年4月以降の売買マーケットはかなりクールダウンしています。現在、賃貸マーケットが売り手市場に対して、売買マーケットは完全に買い手市場になっています。
学生として、駐在員として数年トロントに住む方、あるいは永住者として今後長くトロントに住む方、いずれにしても、今は物件購入のチャンスといえると思います!トロントでの物件購入のメリットは主に次の点が挙げられます。
1. 資産形成
賃貸を何年続けても、数年後自分の手元には何も残りませんが、購入すれば資産として残ります。
2. 値上げへの期待
トロントはアップダウンがありながらも、この30年間、物件の平均価格は上がっています。先進国の中でトロントのように物件価格が上がる大都市は、例を見ないと思います。
3. 人口増加による安定性
毎年20万人以上の移民を受けて入れているカナダ。そのうちの半分はトロント都市圏に定住しているといわれています。人口増加に対して不動産が足りないことから、常に不動産不足の状態です。そのため、貸したい時も売りたい時も早めに相手が見つかり、手離れがいいです。投資として適しているといえるでしょう。
4. 自然災害が少ない
トロントは日本や西海岸のような地震、その他の自然災害が少ないことは、物件を購入しその後長く保有する中で大事なポイントです。
賃貸 VS 購入
賃貸のメリットは①初期投資がかからないこと、②いつでも気軽に住居を変更できることです。しかしながら長期で賃貸をすると賃料がかさんでしまうこと、オーナーにいつ退去を言われるかわからないリスクがあること、自分の資産にはならないことがデメリットです。
購入する場合、最初の頭金は5~20%必要になりますが、何より資産が残り、その資産が今後も価値を生み出すチャンスがあります。
例えば2500ドルの1ベッドルーム+DENの物件を10年賃貸すると合計30万ドルです。1ベッドルームの平均価格は60万~70万ドルですので、実に物件金額の半分近くになります。そう考えますと、人口増加による不動産不足を背景に年々賃料が上がるトロントにおいて、不動産を持つことは魅力といえるかと思います!
次回は現在のマーケット状況、物件購入に関する流れや必要な費用などについてご紹介します。
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