お部屋探しの流れと最近の傾向|商工マーケット動向そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第85回】
4月からトロントでの新生活をスタートされる方も多いと思います。今回は、改めてお部屋探しの流れと最近の傾向についてお話したいと思います。
お部屋探しの流れ
お部屋を探す場合には、不動産エージェントを通じて探すのと、コミュニティサイトなどで自分で探すのと2通りの方法があります。今回は不動産エージェントを通じて探す場合の方法についてご紹介します。
① エージェントに相談する
トロントにこれまで来たことがない、お部屋探しをするのは初めてという方がほとんどかと思います。自分のニーズに合うエリア候補はどこがあるのか、戸建やマンションなどの物件種別、家族構成と学区、賃料相場、車の有無による生活の利便性、そのエリアの生活情報などを含めてご希望、ご条件をエージェントに詳しく伝え相談します。できるだけ詳しく伝えることで自分のニーズに合ったエリアや物件を絞り込むことができます。弊社ではまずトロントに到着される前に事前の無料コンサルティングを行い、物件情報や新生活のセットアップなどについてお話させていただいています。
② 物件情報を収集する
エージェントはエージェント専用サイト(MLSシステム)で条件に合う物件情報を探して送ります。紹介された物件の中で気に入ったものがあった場合、エージェントに伝えておくのも有効な手段です。良物件の場合、繁忙期の夏のシーズンでは1週間以内に、その他の時期でも1か月以内には無くなってしまうことも多いですので、自分の物件見学日にどのような物件が募集されているのか、気に入った物件が残っているのかエージェントと最新募集状況を確認してください。次のサイトはMLSシステムと連動している一般向けサイトです。このサイトに記載されている物件については、エージェントが間に入ってご紹介、ご案内させていただくことができますのでご参考ください。
Realtor.ca https://www.realtor.ca/on/toronto/rentals
以前もお伝えしましたようにトロントでの賃貸募集情報の入居可能日は、即入居可能な物件(現在空室)、翌月11日また翌月中に入居可能な物件(現在入居者あり)、2か月後頃から入居可能な物件(現在入居者あり)の3種類に分かれます。通常、①と②の物件が住宅賃貸マーケットの全体の7~8割を占めています。募集物件の入居可能日が自分のニーズに合っているかについてご確認ください。
③ 物件を内見する
物件情報に写真は掲載されていますが、実際と同じとは限らないので気になる物件はできるだけ多く内見されることをおすすめします。日当たりはどうか、間取りは使いやすいか、ベッドルームにシーリングライトはあるか、カーテンはついているか、バスルームにバスタブはあるか、家具付きと書いてあるけど本当に家具つきなのかなど、実際に見てみないとわからない物件も多いです。1回の内見で気に入った物件が見つからない場合、契約開始希望日まで時間が許す限りできるだけ内見して第1希望~第3希望くらいまで決めておきましょう。
④ 賃貸契約申込をする
賃貸契約を申込み(オファー)したい物件についてまずエージェントに伝えます。賃貸申込は複数同時に行うことはできず1件ずつの申し込みとなります。エージェントはオーナー側エージェントに連絡し、まだ募集中であるか、ライバルのオファーは入っていないか、条件は合うか(賃料や入居日、デポジット月数などについて交渉する場合)を事前に確認します。オーナー側エージェントと確認した内容を踏まえ、エージェントは賃貸契約書ドラフトを作成します。もしライバルのオファーが入っている場合、同日夜または遅くても翌日中にはオファーを出してオーナーに併せて検討してもらうよう依頼します。
賃貸申込みの際には、エージェントが用意した賃貸契約書を確認しサインをします(電子サインも有効です)。また、補足書類(Supportive Documents)として次の書類をご準備いただき、賃貸契約書とともにオーナーエージェントへ送ります。トロントに到着したばかりで初めてお家を借りられる方の必要書類です。
- 写真付きID(パスポート、オンタリオ州運転免許等)
- ビザ書類(ワークパミット、スタディパミット、もしくはピザ承認・申請に関する移民局からのレター)
- 勤務先からの雇用証明書(Employment Letter)またはビザ申請時のサポートレター、あるいは所属機関や学校からの入学許可証(Letter of Acceptance)
- 銀行残高明細(特に学生の方などカナダでの収入予定が無い方や収入金額が低い方は、賃料支払いの資金証明として必要)
- Rental Application(入居者情報を記載する2ページの書類。入居者全員の氏名、現在および以前の勤務先(所属先)、現在および以前の住所、銀行口座情報、身元や勤務確認用の照会先人物を記載する必要があります。写真参照)


オーナーエージェントはサイン済みの賃貸契約書と補足書類を受け取ったらオーナーに伝え、オーナー審査をします。オーナーは受け取った賃貸契約書について、修正なしで承諾するか(契約成立)、契約書内容を修正して借主側へ返送するか(カウンターオファー)、不承諾するか、のいずれかの返答をします。カウンターオファーが届いたら、借主は修正内容について確認し承諾するを決めます。承諾した場合にはその時点で契約成立となります。
もし社内での稟議承認の取得、レビューやリーガルチェックが必要で賃貸契約書へのサインまで数日必要となる場合には、早めにエージェントにお知らせください。その場合、先に補足書類をオーナーエージェントに送り、オーナー審査を進めてもらいながら、オファー希望の意向があるから賃貸契約書を送るまで待ってほしい、それまでに他からオファーが入ったら教えてほしいと依頼します。
⑤ 賃料デポジットを支払う
契約書に双方サインを完了したら契約は成立となります(仮成約)。通常24時間以内に(または契約に記載された期日迄に)、2か月分の賃料デポジット(家賃前払い)をオーナーエージェントの不動産会社に送金します。先方でデポジットの着金を確認したら、契約は正式に成立(本成約)となり物件を押さえたことになります。またこの時点でMLSシステムにおいて募集中物件から成約物件へと登録内容が変更となり募集完了となります。
⑥ 入居までに必要な準備をする
ご入居までに必要な準備として、テナント保険(火災家財保険)の加入、借主が負担すべき光熱費のセットアップがあります。テナント保険は付保証明を、光熱費はオンラインの画面のスクリーンショットなど手続きを完了したことを示すエビデンスをオーナー側へ送る必要があります。保険とインフラのセットアップがないと鍵を受け取ることができません。契約が成立したらできるかぎり早目に手続きを始めましょう。またキーデポジットや追加の賃料デポジット(ある場合)にはその支払い方法についてオーナー側と事前に確認し準備します。オーナーとは関係ありませんが、インターネットやケーブルテレビも自分で契約が必要な物件がほとんどですので、実際の入居日にあわせて事前に調べて手続きを行っておくことをおすすめします。
⑦ ご入居(鍵の受領)
契約開始日当日またはそれ以降に、オーナーまたオーナーエージェントと会って鍵を受け取ります。鍵受領の際に小切手などによるデポジット類の支払いがある場合には忘れずに持参しましょう。鍵受領の際には、家電類やその他設備はきちんと作動しているか、お湯は出るか、シャワーの切り替えは問題ないか、電気はつくか、修理が必要な箇所はないか、床や壁に目立ったキズや汚れはないか、窓やカーテン類はきちんと開け閉めできるか、空調フィルターの交換はどうするのか、温度調節器はどうやって使うのか、ゴミの出し方など、できるだけ詳しくオーナー側とその場で確認するようにしましょう。鍵受領以降に不具合を発見した場合には、1週間以内などできるだけ早めにオーナー側へ伝え対応してもらうようにしましょう。
物件内見からご入居までの所要日数としましては、非常に急いで5日~1週間、一般には10日~2週間ほどかかります。
最近の傾向について
- 昨年からの売買マーケットの低迷により、貸出物件が増えたことから、賃貸マーケットはやや借手市場に思われます。以前であれば数日で無くなっていた物件もしばらく残っているケースも増えていると感じます。資料に記載された、当該物件の現在の賃貸募集期間数を示すDOM(Days On Market)を参考にしながらオーナーとの交渉を試みることもできるかと思います。
- 貸出し物件が増えて2年前と比べてやや下がっている傾向にある一方で、良物件についてはオファーが集中する傾向が見受けられます。気に入った物件があった場合にはタイミングを逃さずオファーすることをおすすめします。
- これまではオファーの際に賃貸契約書と補足書類をまとめて送るのが通常でしたが、先に補足書類だけ見てオーナー審査したい、とオーナーエージェントから言われるケースも多くなりました。補足書類を送る際には入居希望日、賃料、その他条件などを伝えオーナー審査の結果を待ちます。オーナー側からOKの返事が来た後に、賃貸契約書を送ることになります。
トロントでの新しい生活スタートに際して、自分の気に入った物件に住めるよう早めかつ十分に準備しましょう!
※弊社では、お部屋探し、入居後のアフターサポート、生活サポート等を承っております。物件検索やお部屋探しに関する疑問・質問、ご要望についてお気軽にご相談ください。






