テナントの責任と義務|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第90回】
今回は、賃貸契約におけるテナント(借主)の権利と責任についてお話したいと思います。
オンタリオ州におけるほとんどの賃貸契約は、Residential Tenancies Act(RTA)に基づいています。RTAはオーナー(貸主)とテナント(借主)の間の関係を管理するものであり、テナントの権利と責任について定めています。オーナーとテナントの間でサインした賃貸契約書に記載がされていなくても、RTAに基づいて借主の権利と義務は定められています。
テナントの権利

❶ 賃貸契約の更新
1年間など双方が合意した当初の賃貸契約期間の満期日を迎えるまでに、オーナーから契約解除について通知を受けなかった場合、またテナントが解約の通知をしなかった場合、満期日以降は自動的にマンスリー契約に切り替わります。マンスリー契約の場合、新たな書面を取り交わして契約更新する必要はなく、60日前までの通知により、賃貸契約を終了することができます。
❷ 賃料アップ
賃貸契約期間において、オーナーは12か月毎のみ賃料をアップすることができます。オンタリオ州ガイドラインに基づき賃料アップの上限率(レントコントロール)が決められており、2026年は2.1%です(ただし、2018年11月以降に完成した建物はレントコントロールの対象外物件となります)。オーナーは賃料をアップする際、少なくても90日前までに書面によってテナントに通知しなければなりません。
❸ プライバシーの保護
オーナーは合理的な理由がない限り、テナントの住居に勝手に入ることができません。
❹ ルームメイトによる強制退去
ルームメイトが増えたから、という理由で強制退去させられることはありません(ルームメイトが他の部屋のテナントに対して問題を起こしたり、建物に損害を与えている場合等を除きます)。
❺ ペットによる強制退去
ペットを飼っている、という理由で強制退去されられることはありません(そのペットが危険動物であったり、騒音がひどかったり、部屋に損害を与えている場合等を除きます)。ただし、ペット飼育についてはコンドミニアムルールが制限・禁止している場合には、当該ルールに従わなければなりません。
❻ 冬季の室温
オーナーが当該住居の暖房について責任を負っている場合、オーナーは9月1日~6月15日の期間においては、室温を20度以上に保つ責任があります。
❼ 鍵と強制退去
オーナーはテナントに黙って部屋の鍵を変えることはできません。また強制退去を命じることもできません。テナントを強制退去することができるのはSheriffだけです。
強制退去を命じる場合も、オーナーはまずテナントに対して合理的な理由(賃料未払い等)に基づいた賃貸契約の解除を通知し、Landload Tenant Board(LTB)を通じて強制退去の手続きを行わなければなりません。
テナントはヒアリング等のLTBでの手続きにおいて事実と反論を述べる権利があります。
❽ レントレシート
オーナーへ支払った賃料またはデポジットについてオーナーへレシートの発行を求めることができ、オーナーは無料でレシートを提供する必要があります。また退去後12か月以内においては以前住んでいたオーナーへレントレシートの発行を求めることができます。
テナントの責任

❶ オーナー審査書類の提出
賃貸契約締結前のオーナー審査段階において、オーナー側から収入証明、クレジットスコア、これまでの賃貸履歴等の提出を求められた場合には、これに応じる必要があります。
❷ デポジット支払い
テナントは入居時に最初の月の賃料を支払う必要があります。またオーナーは契約開始日までに最終月の賃料をデポジットとして求めることができます。最終月として支払ったデポジットは、当該賃貸契約期間の最後の月の賃料として充当する必要があり、家賃の前払いとなります。またオーナーがキーデポジットを求める場合、これに応じる必要があり、キーデポジットは鍵を紛失した際の交換費用にのみ充当されます。
❸ 賃料支払い
テナントは、オーナーと合意した賃料金額および支払日に基づいて、全額かつ期日までに支払う必要があります。例えば、オーナーによる修理状態に不満がある場合でも、賃料を支払わなくてもいいという理由にはなりません。
❹ 部屋の使用状態
借りた部屋を綺麗に使用する責任があります。テナント自身又は同居人等の過失によって部屋に損傷を与えた場合、テナントの費用負担により修理をする必要があります(例:荷物運搬時の壁やドアへの損傷、トイレ詰まりによる水漏れとそれによるフローリング等部屋への損傷、お風呂場のカビ、水道管凍結による水漏れなど)。なお、経年劣化による損傷に対する修理について、基本的にオーナーが費用負担となりますが、テナントは一定額を支払い、残りの修理費用はオーナーが負担、と賃貸契約に定めているケースが多くなっていますのでご留意ください。
❺ 住居への立ち入り
修理や点検などオーナー側による合理的な理由があり、24時間以上前(緊急時を除く)に住居立ち入りを通知する場合、テナントはこれに同意しなければなりません。
>❻ 鍵の交換
テナントは鍵を交換した場合、ただちにオーナーに知らせてスペアキーをオーナーに渡す必要があります。
❼ 部屋のサブリース、引継ぎ
賃貸契約期間中において、テナントがサブリースまたは他者へ契約引継ぎをしたい場合、オーナーの同意を得なければなりません。
オーナー自身又はオーナーの家族、もしくは家族の介護人が住む必要がある場合、テナントは当該住居を退去する必要があるケースもあります(オーナーはテナントへ固定期間による賃貸契約においては満期日、マンスリー契約においては賃貸サイクルの最終日より60日以上前に退去通知を送る必要があります)。
The Landload and Tenant Board(LTB)
テナントとオーナーの間でトラブルが生じた場合、「The Landload and Tenat Board(LTB)」に訴えることになります。
TEL: 1-888-332-3234
416-645-8080
月~金 8時30分〜17時
LTBの各オフィスの所在地、メールアドレス、電話番号については、こちらをご覧ください。
http://www.sjto.gov.on.ca/ltb/contact/
テナントの権利と責任についてよく理解し、快適な賃貸ライフを過ごしましょう!
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