氷水出し緑茶で涼む|お茶コラム
トロントもいよいよ夏本場、暑い日はやはりキンキンに冷えた生ビール!ではなくて、、私は断然、冷たい緑茶で涼みたくなります。今月は夏ならではのお茶の楽しみ方をご紹介したいと思います。
恐らく多くの方は、通常よりもやや濃い目にお茶をいれて、その後たくさんの氷を入れて冷やす。という方法を試したことがあるかと思いますが、この方法よりも手間が簡単で、尚且つ味もマイルドで美味しいのは、温かいお湯を使わずに抽出する、「氷水出しメソッド」です。この方法で淹れると、カフェインの量を減らすことができるだけでなく、甘み旨味の多いとびきり美しい緑茶になるのです。
まずはお茶の成分のしくみについて少しふれたいのですが、お茶のうまみ成分を作り出している成分はテアニンという「アミノ酸」です。そしてお茶といえば、「カテキン」ですが、カテキンは渋みの弱い、エピガロカテキンと、渋みの強いエピガロカテキンガレートの2種類あります。緑茶を冷水でいれると、覚醒作用と渋みを感じさせるカフェインと、この渋みの強いエピガロカテキンガレートの抽出量が劇的に減少するのです。逆に熱に溶け出しやすいので、熱湯を緑茶に注ぐと苦い味になるのはそういうことだったのです。
氷水出しは、水出しよりも更に低い温度、ゼロ度に近づけることで、苦み成分であるカフェインの溶出を最大限に抑えられ、その分、旨味、甘み成分のテアニンが多く抽出されるのです。
私が冷たい緑茶を飲みたいときは、愛用している無印の蓋付きの1L用容器(冷蔵庫で横にしてもこぼれないので便利です)に、5gの茶葉をバラバラと入れます。そしてその上から、氷を一番上までガンガンに放り込みます。隙間を冷水でうめる感じでいっぱいにしたら、蓋をして、一晩冷蔵庫で冷やします。次の日の朝、じっくり、氷水で抽出された緑茶のできあがりです。この時点では容器の中で茶葉が自由に泳いでいることになりますが、コップに注ぐ時に茶こしでキャッチすればオッケーです。日本の雑貨屋さんなどで売っている、茶こしティーバッグを利用する時もあります。
氷水で一晩抽出された緑茶、その美味しさにびっくりすること間違いないでしょう。この方法は煎茶だけでなく、ほうじ茶や玄米茶などでも試してみて下さい。
また、「氷出し」というメソッドもあります。氷を、絞り出し器や平たい注ぎ口のあるお皿にのせ、その上に茶葉をパラパラとふりかけ、氷が溶けるのをじっくり待つのです。溶けた氷に溶け出した茶葉の成分が濃厚に抽出されており、なんともいえない旨味が味わえます。氷出しメソッドは煎茶や玉露が適しています。

吉田桃代
Tea&Herbal Association Canada公認ティーソムリエ日本茶アドバイザー
日本茶のオンラインストア「Momo Tea」とお茶団体「Nihoncha Canada」を運営。Momo Teaは2015年からトロントのお茶の祭典、Tea Festivalや、日系文化会館の季節のイベントを中心に出店。2023から日本茶の良さをカナダの人に広めたいという想いを込めて、日本茶と日本の文化に特化した「日本茶祭り」を主催。毎年11月第一日曜開催予定。






