日本のお祭り「Japan Festival CANADA」|トロントの居酒屋風雲児【第44回】
今年は9月に入っても20度以上の暖かい日が多く、まだ夏は終わっていないと思いたいのですが、もう既にハロウィングッズやクリスマスグッズが店頭に並び始め、今年のカウントダウンが始まってしまっていることに気づく今日この頃です。今年も楽しかった夏の思い出の写真を見返しながら、今年のトロントの冬はどうなるのかなぁとこれからくる冬に既にビビり始めています。
夏の間は色々なイベントが各地で行われ、皆さんも色々とお出掛けになったのではないでしょうか。私たちも夏の間、いくつかの野外イベントに参加させてもらいましたが、「Rib Festival」や「Beer Festival」などのフードやドリンクのイベント、今年はトロントアイランドで行われたエレクトリックミュージックのイベント「Dreams Festival」やモントリオールでも行われた「Jazz Festival」などの音楽イベント、アジア系の色々な屋台や夜店が出店する「Light It Up!」 や「Waterfront Night Market」などと数え切れないほどのイベントが毎週行われていました。
日本でも夏の間は各地で色々なフェスティバルが行われていて、私も若い頃は野外の音楽フェスティバルに色々と参加していましたが、今でも日本人の私が恋しくなるのが、日本のお祭りです。「Light It Up!」などのイベントにはアジア系の屋台が多く出店するので、お祭りに近い雰囲気を味わえますが、やはり日本のお祭りとは違う雰囲気です。
トロントで日本のお祭りといえば、北米最大規模の日系のお祭りとして知られるミシサガで行われる「Japan Festival CANADA」でしょうか。今年で4回目を迎え、過去3回参加させていただいていますが、毎年毎年、来場数が増えてきている素晴らしいイベントです。今年は私たちは恒例の綿菓子とたこ焼き、そして手羽先の唐揚げと豚スペアリブの唐揚げの計4品を出品しましたが、大量に仕込んだ手羽先も豚スペアリブもほぼ1日目で完売ととても忙しい2日間でした。
イベントでは日本食の屋台だけでなく、日本からのゲストや日本の伝統である舞踊や和太鼓などのパフォーマンスなどもあり、日本の食と文化、産業技術をカナダを通して世界へ発信し、日本が誇るJAPANブランドを世界へ浸透させていくことを目的として行われています。今年はカナダにおける日加修好90周年の記念の年であることから、日本の皇室から高円宮妃久子さまも参加されていました。
私がこのイベントに毎年参加する理由として、やはり日本人として日本の文化であるお祭りをなるべく日本と近い形でカナダの方々に体験していただきたいという気持ちがあるからです。お客様として来場される方はもちろんのこと、一緒に働くスタッフたちにも久々の日本のお祭りを体験してもらいたいと思っています。また私の子供たちはカナダ生まれカナダ育ちのため、今年の夏に日本でお祭りに行くまでは、日本のお祭りを体験したことが無かったこともあり、彼らに少しでも日本のお祭りを体験してもらいたいという思いもあります。
子供たちが浴衣や甚兵衛を着て、ラムネを飲んで、たこ焼きや綿菓子を食べている姿はまるで私が幼少期に楽しんでいた日本のお祭りのようで、トロントにこのようなお祭りのイベントがあって本当によかったなと思います。これからもこのイベントが続き、どんどんと大きくなることを期待しています。来年は何を出品しようか今から悩んでしまいますが、来年も既に楽しみです。
小笠原 克 Ogasawara Masaru
日本ではファッションブランドGapでアルバイトからマネージャーまで7年間勤務、新規店の立ち上げや日本売り上げNo.1店舗での管理職を経験し、2005年にワーキングホリデーでバンクーバーに渡加。ファッション業界からの転身となるが、調理師免許保持や両親の飲食関係の仕事の影響などもあり、大人気居酒屋Guuでワークビザを取得し男前店で副店長を務める。その後2009年トロントでのFC立ち上げ総責任者に任命されトロントへ。寒い冬でも毎日行列のできる大繁盛店となり、トロントの日本食パイオニアとなる。2014年にはKinkaFamily Inc.の副社長に就任し、居酒屋の他、ラーメン、寿司、焼き鳥などのブランドを管理、2015年10月末GuuとのFC契約終了とともに独立・起業。現在は世界で皆に愛される飲食店を開業できるようにと奮闘中。