腰と肩に効く!ゴルフ風ストレッチで気分爽快!|オリンピック選手もサポートするカナダ公認マッサージ・セラピストが教える身体と健康【第89回】

15年ぶりにゴルフ練習を始めて感じたこと
- いまだにクラブがゴルフボールにあたる
- 道具がすごく進化している
- 昔と打ち方が違う
過去15年間で一度も触ったことがないゴルフクラブを持ち出してボールを打ってみましたが、かつての感覚でしっかりとボールを捉えられることに驚くとともにいくつかの発見がありました。
簡単に言うと、以前蓄えたゴルフの知識を15年経って初めて体で実感できたということです。
例えば、クラブヘッドの重みを感じながら(利用しながら)、スウィングする基本動作は頭では解っていましたが、以前は思いっきりクラブを振ってボールを飛ばしてナンボという動作になりがちでしたが、15年の経年変化により飛ばしてナンボ的なスウィングは体にキツいため自然と封印されました。
現在のモットーは、「身体に優しく無理しない」です。
結果としてスウィングがゆっくりになったので、むかし学んだスウィングの基本を1つひとつ確認しながら動作をしています。以前は感じられなかったクラブの重心やしなりを十分に感じて楽しみながらスウィングして、飛ばしてナンボの頃と変わらない飛距離が得られてコントロール性は数段向上し、球筋も良い方向に改善という驚くべき結果となりました。
何故この様な事が起こるのでしょう?
過去15年間でゴルフに関する情報は全く更新されていないので、基本的に体の変化と考え方の変化が原因と思われます。多分一番大きいのは、体を労るためにゆっくりとした動きになったことです。これにより、スウィング中に体の動作の確認をしながらコントロールできるようになったということだと思います。
ゴルフスウィングの悪い部分をゴルフ理論で直すのではなく、体の動きを改善してゴルフスウィングを良くする作業です。
例えば、「スウィングが小さい!」「もっと大きくクラブを振って!」とアドバイスを受けたら、肘を伸ばしたり腰をもっと回す練習をするだけでなく、腰や肩の動きを妨げる筋肉を緩めて自然にスウィングを大きくするといった要領です。
この方法を取ってからは、テクニック修正に時間がかかることはなくなり、すぐに改善されるようになりました。この方法で全ての人がプロゴルファーになれるという意味ではなく、少なくとも自分の体が持つ最大パフォーマンスを発揮する最適な方法であるということです。
ゴルフレッスンを受けたり、YouTubeで研究するのを否定しているのではなく、そのような高度なテクニックの改善に取り組むのであれば、私の推奨する体の改善から取り組むアプローチから始めなくては、「テクニックが悪いのか?」「要求される体の動きが出来ないのか?」など判断がつかず、多くのゴルファーがしているように、体が動かないから出来ない問題をテクニックを練習して補うという本末転倒な状況になってしまいます。
スウィングを大きくする方法
■スウィングを小さくしてしまう腰の動きを妨げる筋肉は、腰骨の横辺りにあります。
❶ 横腹の下を探って腰骨の上端を見つける。
❷ そこから親指一本くらい後ろを押して気持ち良いポイントを2~3分セルフマッサージする。
■肩の動きが小さくなる主な原因は肩甲骨の動きの悪さにあります。
❶ 肩甲骨の内側をテニスボールなどで緩める。
❷ 脇の下奥の方の筋を緩める。
■肩の筋肉は首にも繋がりがあるので、後頭部と首の境目くらいを親指でセルフマッサージする。
■ゴルフスウィングの動きを利用した一石二鳥ストレッチ

ゴルフスウィングのゴルフクラブを引き上げて行って体が止まった位置から、腰を固定したまま、もう少し頑張って回して5秒くらいキープする。

同じようにゴルフクラブを振り切って止まった位置から、腰を固定してもう少し頑張って回して5秒くらいキープする。ゴルフクラブを引き上げる際に肩を内旋(内側に回して)しながら行うと深部の筋肉が伸びて効果的。
■徐々にゴルフスウィングを大きくして体を伸ばします。
肩から背中にかけて広いエリアと腰を回す筋肉の緊張をリリースできて、大きなスウィングをすることが出来る。体を治してゴルフの問題点を改善しましょう。
ここで以前の「飛ばしてナンボ」というゴルフに対する考え方のどこが悪かったのか考えてみます。
☑︎ 自分の満足する全力のスウィングは、気持ちは良いが道具が生み出してくれるパワーを無視することになり非常に非効率的。
☑︎ クラブシャフトのしなりを活かしてヘッドスピードを上げるようなスウィングをするには全力スウィングの必要はなく、逆に力まずクラブを正確にコントロールした方が良い。
☑︎ 全力スウィングは、正確にボールをとらえる確率を下げる。
☑︎ 基本的に全力のスウィングでは全身に力が入り体のしなやかさを妨げるので結果的に動きが小さくなり、リラックスして正確なスウィングをするのと飛距離などの結果は大して変わらない。
☑︎ リラックスすると脳にも余裕が生まれるので体の動きを確認しながらコントロールできる。
これはスポーツに限らずダンスなど体を動かす際に共通した常識です。
アスリートやバレリーナが追求する運動時の体の軸はコアを鍛えるだけで出来上がるものでなく、全身がリラックスした状態で軸を作る(感じる)必要があります。
このリラックスした体の軸を作れると体を動かすスタートポジションが明確になり、続いて始動するあらゆる動作がスピーディーかつ力強くなります。
これは、あらゆるスポーツの基本であると言っても良いでしょう。
スポーツやダンスが上手くなるために、もっと鍛えなくてはいけないという曖昧なイメージで練習に臨む人がほとんどですが、全く逆のイメージで、鍛えるのでなく、体を完全に緩めて自分の持つフレキシビリティーを100%引き出した上で、自分の体の足りない部分を鍛えるようにしたら簡単に良い結果が得られるのは確かだと思います。
自分の体を完全に緩めるとは?
ストレッチの時間を倍に増やすとか、ヨガを始めるということでなく、長年そのような事をしてきても緩められなかった箇所へのアプローチをすることが重要です。
私は昔から肩がこれ位しか上がらないとか、小学生の頃から柔軟性ゼロと諦めている人でも、正確に緩めるべき体のポイントを見極めて、誰にでも出来る方法で体を完全に緩めるアプローチは可能なのです。
体を動かす基準は各関節の可動域や可動方向を元に考えると良いでしょう。例えば肩の動きだったら、前後・左右・内旋外旋が十分に出来るかを基準とします。通常、体の動きを妨げているのは1つか2つの緊張なので、ポイントを見極めることができれば緩めるのはわりと簡単な作業なのです。
上手くいかない動きや日常生活の癖などを見つけると問題点を導きやすいです。
SNSの情報などに頼りすぎていると、自分にピッタリとあった情報ではないので、80%くらいの結果は得られても100%の結果が得られないことが多いのです。
日頃からコンディショニングを心がけている人は、本人は十分に努力しているつもりで、まさか見逃している部分があるとは夢にも思わなかったりするので、問題点を見極めるのが余計困難となります。
ここで理解しておかなくてはいけないのは、ストレッチをはじめとした自分の体を動かして行うコンディショニングには限界があるということです。体を動かして行うアプローチと並行して、セルフマッサージなど間接的なアプローチを追加すると、今まで以上にコンディショニングが効率的になるでしょう。





