ヨーロピアンのママ直伝!おうちで簡単に作れるお菓子レシピ|特集「ヨーロッパの伝統菓子 第二弾」
01
スペインのマグダレナスは、一般的なマフィンやカップケーキと違い、バターではなく、エキストラバージンオリーブを使用して作られている。
レティさんにとってマグダレナスは、お母さんがいつも焼いてくれていた思い出のお菓子なんだそう。お母さんがマグダレナスを焼いてくれていた時、甘い香りが家の中に漂っていたことを覚えているそうだ。
スペインでは朝食や午後にホットチョコレートやコーヒーと一緒に食べることが多く、子供から大人までみんなが大好きなお菓子。昔は、休日や誕生日に作られることが多かったが、今日ではスペイン全土のスーパーマーケットやパン屋でいつでも見つけることができる、国民的なお菓子となっている。
マグダレナという名前は、ガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラに行っていた巡礼者にこれらのケーキを与えていたマグダレナという若い女の子の物語に由来するともいわれている。
【材料】
- 卵 3個
- 小麦粉 180g
- 砂糖 110g
- ベーキングパウダー 小さじ2(10g)
- 塩 小さじ1/2
- エキストラバージンオリーブオイル 120ml
- 牛乳 60ml
- レモンの皮 1個分
【作りかた】
- 卵と砂糖をボールに入れ、しっかりと砂糖が溶けるまでよく混ぜる。柔らかな食感のために重要なポイント!
- 別のボウルに小麦粉、塩、ベーキングパウダーを混ぜる。
- 2を1のボールに入れ、よく泡立てる。
- オリーブオイルを少しずつ加えながら全体を混ぜる。
- 牛乳とレモンの皮も同様に少しずつ加えながら混ぜる。
- 蓋をして冷蔵庫に1時間入れて休ませる。
- 冷ました生地をカップの3/4まで注ぎ、上に砂糖をふりかける。
●レティさんからのポイント➡「Sweet Hat」と呼ばれるマグダレナに欠かせない工程。これが焼いた後にとっても美味しくなる! - オーブンを480°F(250°C)に予熱。マフィンを入れて、すぐに400°F(200°C)に下げて15分焼く。焼いている間にオーブンは開けない。
- 爪楊枝を刺し、生地が付いていなければ完成。
レティさんからのポイント!
☑︎ 甘い香りで待ちきれないかもしれないけれど、食べる前に5分ほど冷やした方が美味しい!(私は子供の頃、待ちきれずに出来立てを食べていたけれど)
☑︎ マグダレナを火山の様に膨らませるためには、焼く前にバッターを冷蔵し、オーブンに入れてすぐに250℃から200℃に温度を下げることが最大のポイント!
02
「トリハス」はスペインの人気のデザート。通常はイースターの時期に食べるもので、お祝いのレシピとされている。トリハスには、各家庭に一つと言っていいほど数多くのレシピがあり、このレシピはレティさんのお父さんの故郷であるセビージャで、レティさんのおばあさんの代から受け継がれているレシピだ。
レティさんのおばあさんのロザリオ・オーロラさんは、聖週間の時期になると貧しい人たちのためにこのトリハスを作っていたそう。地元セビージャではこのレシピは有名になり、ロザリオさんの作るトリハスは伝統として今尚有名な話なんだとか。ロザリオさんの愛情と、オーロラ家の伝統を感じる「トリハス」をぜひお試しあれ。
【材料】
- 卵(大) 3個
- 牛乳 1L
- 砂糖 200g
- シナモン 小さじ3
- オリーブオイル
- レモンの皮(細切り)
- フランスパン(時間が経って硬くなったものでも良い) 1本
【作りかた】
- 牛乳、半量の砂糖、レモン、シナモン小さじ1を入れ、ゆっくりと煮る。
- パンを厚切りに切る。
- 1を約10分間煮たら、火を消し、パンのスライスを浸す。崩れないように優しく、しっかりミルクを吸収させる。 ●スペインのアレンジ➡他のスパイスが入った甘いワインや牛乳で作ってもOK!
- 3を休ませて冷ます。
- 別のボウルに卵を泡立て、冷ましたパンを浸して味を染み込ませる。
- パンを浸している間に、深く重めの鍋にオリーブオイルを約1cm入れて温める。
- パンを2つ鍋に入れ、両面をこんがり焼く。
- 焼き上がったらペーパータオルの上に置き、余分な油を吸収する。
- 別のボウルに残り半量の砂糖とシナモン小さじ2を入れて混ぜ、8を絡めて完成。お好みで蜂蜜やシロップを付けて食べる。
☑︎ 食感を味わうなら、冷蔵するのもおすすめ。2〜3日以内に食べるのがベター。伝統的な食べ方はレシピの通りだが、スペインではお好みでチョコレートに浸して食べる人もいる。
03
「アロス・コン・レチェ」はスペインで人気のデザートで、非常にシンプルで安価な食材で、いつでも気軽に作ることができるスイーツ。誕生日や家族の集まり、結婚式などではデコレーションされたものを食べる習慣がある。
今回はスペインの伝統的なレシピでありながら、お菓子作りが得意なレティさんの妹さんオリジナルのレシピを紹介する。
【材料】
- 米 1カップ
- 水 2カップ
- シナモンスティック 1インチ
- ミルク 4カップ
- 黒砂糖 大さじ3
- 白砂糖 3/4カップ
- バニラ 小さじ1
- レモンピールまたはオレンジピール
- 挽いたシナモン(ガーニッシュ用)
【作りかた】
- 水が澄むまで米を濯ぐ。
- 米、水、シナモンを鍋に入れ中弱火で炊き、約15分間、またはご飯に半分ほど火が入るまで、時折かき混ぜながら煮る。
- 黒砂糖を加え、中火し、時折かき混ぜながらご飯が乾きそうになるまで煮る。
- 牛乳と白砂糖、レモンピールを加え、ご飯を約30分間、またはずっしりと重みを感じるくらいまで煮る。
- 火を止め、バニラを入れる。
- 冷ましたら、お皿に盛り、シナモンを振りかけて完成。
04
南イタリアはカラブリア州出身のシモーナさん。6年前にお二人のお子さんと旦那さんとカナダに移住されたそう。料理に対するパッションはいまも昔も変わらず、すべて一から作ることを心がけているんだとか。「冷凍食品を使えば手間は省けるものの、失われた『ヘルシーさ』と『本物の味』を、自分の手で作り出すことを大事にしている」と語ってくれた。
そんな笑顔が素敵なシモーナさんが紹介してくれるイタリアのデザートは、「プロフィテロール」。イタリアではお祝いの際に食べられるというひと口大の小さなシュークリーム。通常は、たくさんのプロフィテロールをピラミッド型に盛り付けて、チョコレートソースをたっぷりとかけて食べるんだとか。美味しくないはずがない!
【材料】
●シュー生地:
- 水 250ml
- 小麦粉 150g
- バター 100g
- 塩 小さじ1/2
- 卵 Mサイズ 5個
(Lサイズの場合4個)
●クリーム:
- 生クリーム 300ml
- 粉砂糖 100g
- バニラエクストラクト 数滴
●チョコレートソース:
- ダークチョコレート 330g
- 水 150g
- 生クリーム 60ml
- グラニュー糖 45g
【作りかた】
【シュー生地の作りかた】
- 小さめの鍋に水、塩、バターを混ぜ合わせて火にかける。
- ふつふつと泡がたってきたら小麦粉を一気にいれ、火を中火に弱め、木べらで混ぜ合わせる。
- 生地が固まってきたら卵を1つずつ入れ、木べらで混ぜて、混ぜ合わさってきたら次の卵を入れる。
- 全ての卵を投入し、滑らかになったら大きめのノズルがついた絞り袋に生地を入れ、オーブンシートの上に、3、4回小さな円を描くように絞り出す。
- すべて絞り出した後、スプーンの後ろを水で少し濡らし、シュー生地のとんがった角を少し平らにする。そうすることで、円錐型ではなく丸いシュークリームができる。
- 180℃に熱したオーブンで25分間、焼きあがったら外に出し冷ます。
【クリームの作りかた】
- 材料をすべてボールにいれホイップクリームが出来るまで混ぜ合わせる。
- シュー生地の熱が冷まったら、クリームを詰める。
【チョコレートソースの作りかた】
- 小さな鍋に水、砂糖、生クリームをいれ沸騰させる。
- 砂糖が溶けたら、火から外し、刻んだダークチョコレートを入れる。
- 光沢があり滑らかなチョコレートソースになるまで泡立て器で混ぜる。
チョコレートソースが出来上がったら、シュークリームを一つ一つソースにくぐらせる。お皿にピラミッド型に盛り合わせホイップクリームの残りを使い飾り付けしたら完成!
05
キアラさんが、幼い頃、カーニバルの時期によく食べていたという「キアッケレ」。カーニバルとは、イタリアとキリスト教のお祝いの期間で子供たちはその期間、仮面パーティへ参加するためにドレスアップするんだとか。キアラさんが、キアッケレを学校に持って行って友達とシェアできるように、おばあちゃんとお母さんがたくさん作ってくれたのだそう。そんなキアラさんの思い出の味をご紹介。
【材料】
・Farina00(小麦粉) 500g
・砂糖(今回はブラウンシュガー使用) 70g
・無塩バター(常温に戻す) 50g
・卵 3個
・卵の黄身 1個
・ベーキングパウダー 6g
・バニラエッセンスまたはバニラビーンズ
・塩 ひとつまみ
・粉砂糖
・サラダオイルまたはオリーブオイル
【作りかた】
- ボールの中に卵3個と黄身1個を割り、かき混ぜる。
- 別のボールに小麦粉、砂糖、塩、ベーキングパウダーをいれて、泡立て器でぐるぐる混ぜ合わせる。
- 2に1を入れ、バターとバニラエッセンスを加える。
- ヘラかスプーンで混ぜていき、水分が全体にいき渡って生地がまとまってきたら手でこねる。粉っぽすぎる場合は、小さじの水か牛乳を加える。
- 生地でひとつの大きなボールを作り、サランラップで蓋をして30分以上休ませる。
- 生地を台の上に出し、めん棒で薄く(約1ミリ)伸ばし、細長く切り半分のところで1回ねじる。
- 170℃くらいの油で、クルクル返しながら黄金色になるまで揚げる(約2分弱で揚げあがる)。
- 油を切り冷ます。
- 完全に熱が引いたら粉砂糖をまぶして完成。