甘さ控えめなど言語道断!甘くてナンボなギリシャのお菓子|特集「ヨーロッパの伝統菓子」第二弾
中東からのルーツをもつスイーツが多いギリシャ菓子は、日本のように「甘さ控えめ」なんて考えは通用しない。はちみつシロップがかけられたものが多くひと口噛めばジュワーと甘さが身体中に広がる甘党には天国のようなお菓子が目立つ。一度食べたらヤミツキなギリシャ菓子、ブラックコーヒーとともにおやつにいかが?
Athens Pastries
ギリシャのストリートフードを堪能
現在、グリークタウンとして知られるダンフォースに1978年にオープンして以来、ギリシャのストリートフードをトロントニアンに紹介してきたAthens Pastries。 本場のスピナッチパイや、チーズパイ、スイーツなどが食べられるとギリシャ人を始め、ギリシャの味を求めるトロントニアンから絶大な人気を誇る。お玉ですくって販売されるルクマデスは、はちみつシロップがかけられ黄金色にてかてか光りを帯びている。もちもち柔らかいそのドーナツを食べればこのお店の人気の秘訣がわかるんだとか。上からシナモンパウダーをまぶすのがオススメ。
ギリシャではお祭りなどの屋台でよく売られ、子供から大人までみんなに愛されているというスイーツ、ルクマデス。小麦粉、ドライイースト、砂糖、などのシンプルな材料で作られるひと口サイズの丸いドーナツ。はちみつやシナモンパウダーを上からまぶして食べるのだそう。
Kostas Greek Bakery
素朴な軽いドーナツが人気
ショーケースに隙間なく置かれるたくさんの種類のギリシャデザート。シンプルな見た目だがその大きさで目を引くのはギリシャのシュガードーナツ。こんがり黄金色に焼き上げられたふっくらドーナツは、エアリーで無駄のない素朴な味わい。まぶされた砂糖がシャリシャリ良い仕事をする。気分によってミルクやコーヒーと一緒に食べたい一品だ。
ギリシャのドーナツといえばひと口サイズのコロコロしたルクマデスが有名だが、もう1つ国民に愛されるドーナツがある。ギリシャでは朝起きて、まず1番に近くのベーカリーに行き、袋いっぱいのシュガードーナツを買ってくる。周りに砂糖がまぶされた穴の大きめなこのドーナツと、グリークコーヒーで一日を始めるのがギリシャ流!
本場の味が楽しめるベーカリーで「コカキア」を
トロントのイーストエンドにありながら、「トロント1のグリークベーカリー」と絶賛するファンも多いKostas Greek Bakery。このフォルムがすでに可愛らしいコカキアは、甘いシロップに浸されたスポンジケーキとクッキーの中間のような生地に、バニラクリー厶が挟まれ、チョコレートグレーズにディップされる。一度このお店のコカキアを食べれば当店の大ファンになる、とお客さんは言う。
ギリシャのシュークリームとも呼ばれるコカキア。バクラヴァなどに比べると歴史は浅いが、とにかく全国民に愛される大人気のデザートなんだとか。ギリシャではどこのペーストリーに行っても出来たてのコカキアが楽しめるそう。
Select Bakery
アテネにルーツをもつ本格派ベーカリー
ペーストリーだけでなくギリシャや中東の食材が買い揃えられるこちらのお店。当時の一家の大黒柱、マノリスさんがギリシャはアテネでベーカリーとして働き始めたのは11歳。そこで、ベーキングのいろはを習得したマノリスさんはその後、カナダに移民としてやってきて1976年にオープンした一店舗が大繁盛し、店舗拡大としてオープンしたのがSelect Bakery。マノリスさんのレシピを受け継ぎ、トロント1の味とセレクションの多さを誇り、熱い思いでいまもなお、たくさんの常連客に愛される。そんな当店のバクラヴァは薄い生地の層ではなく細かい糸状の生地が何十にも重なったものだ。パリパリの表面とジュワッと溢れるシロップの甘さが堪らない。その伝統の味をコーヒーとともに楽しみたい一品。
バクラヴァといえば何層にも重なった薄い生地の間に、ピスタチオやクルミなどのナッツを挟み、シロップを染み込ませたギリシャや中東地域で食べられるかなり甘いお菓子。ルーツはアラビアにあるとされていて、オスマン・トルコ帝国の支配下だった時代にギリシャにやってきて定着したのだとか。その甘さはギリシャ人でも苦いコーヒーを用意しないと食べられないという人も多いらしい。