Ontario Trillium Drug Program|カナダと日本の医療制度の違い
セントマイケル病院の医師、ボビー・ヤナガワと川口保彦です。今回はOntario Trillium Drug Programというオンタリオ州の処方薬に関する費用のサポートプログラムを紹介したいと思います。もしかするとご存知でない方も多いのではないかと思います。
皆さんもご存知の通り、オンタリオ州ではOHIP(Ontario Health Insurance Plan)という公的保険制度で大部分の医療費はカバーされます。しかし、眼科・歯科・処方薬などのコストはカバーされません。65歳以上にはOntario Drug Benefit Program、24歳以下にはOHIP plusというさらなる補助プログラムがあり、公的保険で処方薬コストのカバーを受けることができます。しかし、その間の年齢でプライベート保険には入っていない場合、基本的には投薬代は自己負担になってしまいます。急に病気が見つかり継続的な投薬が必要になった場合、さらに費用が高額だった場合、困ってしまうことが多いと思います。オンタリオ州ではOntario Trillium Drug Program(https://www.ontario.ca/page/get-help-high-prescription-drug-costs)という救済措置が設けられています。日本における高額医療費制度(医療費の自己負担額が高額になった場合、年収などに応じて一定金額以上が払い戻される)に似た制度です。大まかには、年収の4%相当の年額の自己負担を行えば、プログラムでカバーされている薬の費用が全てカバーされることになっています。ガンなどで高度な薬物治療が必要で、投薬代が高額になる場合は申請を検討する価値があると思われます。
プログラムは毎年8月からスタートしますが、途中から申請することも可能です。年収に応じた自己負担額を3ヶ月ごと(1/4ずつ)に支払うことで、投薬代がカバーされることになります。注意点としては、3ヶ月ごとに見直しがあるため、長期処方を一気にもらうことはできません。
また、このプログラムとは別に、製薬会社が高額な自社製品に対して患者への費用サポートを行なっていることがあります。自分が知らないサポートプログラムが存在する可能性もあるので、医療費がかさみ懸念がある場合は、遠慮せず各病院のReimbursement Specialistなどのサポートスタッフや薬局に相談されることをお勧めします。

ボビー・ヤナガワ
トロント大学セント・マイケルズ病院心臓外科チーフ・プログラムディレクター。トロント大学医学部卒、トロント大学心臓外科、米国バージニア州イノバ・フェアファックス病院、ニューヨーク州マウントサイナイ病院でのトレーニングを経て現職。






