英語の発音|めるものえいご【第15回】
今日は特に日本人が間違いやすい発音をご紹介します。
①「W」/w/
まず、唇を「ちゅー♡」する時の口にして、手の甲などにあててみてください。そこから唇を離す、通常の形に戻す、その時に出す音が/w/。カタカナで言うと「ウォ」に近い音です。
それに対し、日本語の「ウ」は、「ウッ、やられたぁ~」のようにはのどの奥から出す詰まった音です。音が出てくる場所からして全然違うのが分かるでしょうか?woodなど、wが最初に来る単語であれば、ちゅーする時の口の形からスタートです。間に入るquit, sweaterなども、w用に唇を前に動かさないと音が出ません。quitを日本人では「クイット」と発音しがちですが、韓国人も同じく苦手で、「キット」と発音しますね。
②「s」「sh」/s/ ・/ʃ/
口にペンをくわえて、唇が横に広がっていることを確認したら、舌の先だけ歯の間に出して息をもらす「すぃ~~~」という音が/s/です。同時に日本語で「す」と言ってると、なんか喉もちょっと動いてます。「s」は喉の音は一切使わず口先で作る音で、日本語の「す」とは違う音です。また、/ʃ/は舌は口の中にしまっておいて、唇を突き出し歯の間から音を押し出すので「シュー」という音に近いです。ここが混ざってしまうと「sit down」を「うんこ、おとせ」と発音してしまいます。
③「i」/i/
母音(a,i,u,e,o)は「アイウエオ」とは違います。日本語で「い」は、唇を横に広げて歯は閉じて出す音ですよね。
でも/i/は、口を少し開いて、歯のちょうど間くらいの空間に舌を浮かせた状態で出す音です。やってみると全然違いますよね。改めてさっきのquitを「クイット」とカタカナ発音すると英語とかけ離れた音になるのが分かります。
④「L⇔R」/l/・/r/
さて、日本人をとにかく悩ませるこの2つの発音の違い。とりあえず発音して分かってもらえないのは諦めるにしても、スペルを伝え合う場面でも、「2つ目、アールだよね?(と言ってるつもり)」「No, no it is rrrr!(エルに聞こえられてる)」「え?違うの?じゃあ、エル?(もう、わけわからん)」「What? I said rrrr! 」 と、もうわてほんまによう言わんわ!とちゃぶ台返ししたくなることがありませんか?/l/は「エ・ル」の音の最後、舌は上の歯茎のすぐ上に“くっついた”状態です。/r/は、「アー」の後、舌をくるっと後ろ(喉)向きに丸め、口の中で宙に浮いてる状態で出す音。舌はどこにも“くっついて”いません。一方、日本語の「る」は、口の中で舌を巻いてさらにちょっと口の中で動かして作る音です。舌がぴろぴろしますね。「分からんかったらとりあえず巻き舌にしとったらえぇんちゃうか」と思いがちですが、巻き舌にすればするほど、「え、舌どこ?」と余計に聞き取りにくくなります。この舌の位置(静止状態)をはっきりと示すと、言い間違い、聞き取られ間違いがぐっと減ります。
また、発音記号?しゃらせぇ!と無視していませんか?発音記号が読み下せると実は英単語の発音は飛躍的に楽になりますよ!そんな偉そうなことを言ってますが、マクドナルドで、a cup of water, please?と言ったら、” a Quarter Pounder?” と聞き返された私です。思わずドライブスルーのマイクに、「いや、なんでやねん」と突っ込んでしまいました。
海野 芽瑠萌(Merumo Unno Thorpe)
日本の進学塾にて英語文法・受験対策で5年以上の指導にあたり、数多くの生徒を関西の有名高校へ合格させる。カナダでは英語教育者としての経験と、自身の留学経験を生かしながら留学エージェントへ勤務、その後語学学校にて更なる経験を積んだ後、2012年、トロントで最大規模の留学エージェントBRAND NEW WAYを起ち上げる。現在トロントマネージャーかつカナダ統括ディレクターとして、実践のみならず知識・教養としても役立つ語学留学の提供を目指す。