東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い 第40回
5月に行われ盛大なにぎわいをみせた日本酒フェスティバル、Kampai Toronto vol.4。
このイベントに参加した岩手県、南部美人の蔵は3.11東日本大震災で被災した蔵のひとつだ。南部美人の5代目である久慈氏は震災直後から日本酒を通じて地域復興に様々な取り組みを行ってきた。TORJAでは久慈氏が体験したこと、復興に向けての取り組みなどを寄稿してもらった。

東日本大震災から4年半以上が過ぎました。被災地の復興のスピードはまだまだ差があれ、どの地域も「完全に復興しました」という地域はありません。
岩手県では、県北の久慈地区、野田地区が復興のスピードも速く、人々は日常を徐々に手に入れてきていますが、まだまだその爪痕は完全に癒えたわけではありません。そんな沿岸部に素晴らしいニュースが2つ最近飛び込んできました。その2つの素晴らしいニュースが、なんと、今回岩手県の中でも大きな被害を受けた釜石市に関係するもので、岩手県全体で大変喜んでおります。
ニュースの1つ目は、釜石市の「橋野鉄鉱山」が「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として、ユネスコ世界文化遺産に登録されました!
橋野鉄鉱山(橋野高炉跡及び関連遺跡)は、幕末から明治期にかけて日本の産業化の先駆けとなった重工業分野(製鉄・製鋼、造船、石炭産業)における産業遺産群で、岩手を代表する観光スポットでもあり、日本の鉄鋼文化を象徴する場所でもありました。この登録は国内では、19番目、県内では平泉の文化遺産に続いて2番目の世界遺産となります。九州の「軍艦島」などと一緒に登録されており、岩手の新しい歴史の1つとなりました。本当に素晴らしいことです。
ニュースの2つ目は、2019年ラグビーのワールドカップの開催地に釜石市が選ばれました!!釜石市は釜石シーウェイブスというラグビーチームを持ち、岩手でも、そして東北でも屈指のラグビーの盛んなまちです。東京を中心にラグビーワールドカップは開催されますが、開催地の1つに釜石市も選ばれており、小さな小さな釜石市が、長年かけてワールドカップ誘致に動いていた成果が表れました。ワールドカップ用のスタジアムもまだありませんし、アクセスや宿舎のなどの問題もまだまだあります。復興が予定よりも遅れており、仮設住宅や被災した建物などもまだ数多く残っていますが、釜石市がラグビーワールドカップ開催地に選ばれた理由はただ1つ、被災地に希望の光を、そして被災した子供たちに夢を、という事なのだと思います。実際に釜石市は、被災後、この2つの大きなニュースが一気に飛び込んできて、日本中から、そして世界中から注目を浴びています。
釜石といえば新日鉄釜石の鉄鋼とラグビーというのが最も有名なものです。その有名な2つに関連した世界的な決定がなされたことは、同じ岩手県民として本当にうれしいです。ラグビーワールドカップの開催が決まった時に、釜石の子供のインタビューで、子供たちが涙しながら「うれしい」とコメントしていた映像が忘れられません。この4年半、苦労に苦労を重ねた被災地に明るい希望の光が差し込んでいます。夢をあきらめない、必ずかなう。神様はきっと見ていてくれたのです。
オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc
現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。
南部美人
http://www.nanbubijin.co.jp
本文:南部美人 五代目蔵元東京農業大学客員教授
久慈 浩介













