避難訓練の大切さ | 東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第85回】
日本では今年も大きな地震がまた起きました。6月中旬、山形県沖を震源に新潟で震度6強をはじめとする大きな地震がありました。一時津波注意報が発令され、新潟では数十センチの津波が来ました。
たかが数十センチの津波、と思う方もいるかもしれませんが、地震警報が携帯をけたたましく鳴らし、実際に揺れが来てテレビが全て地震報道に切り替わり、そこで津波注意報と出ると大変焦ります。
今回は日本海側を震源としており、おそらく日本海側の方々は中越地震を思い出した方も多かったのではないでしょうか。死者は出ませんでしたが、けが人は大勢出て、停電もありました。
もう1つ、あのエリアで一番心配された柏崎原発は今回は問題は無かったようです。
日本は地震の国です。複数のプレートの上に日本列島があるからだと言われていますが、それにしても震度6以上の地震がこれだけ頻繁に来る国も珍しいです。
東日本大震災以降、東北では避難訓練をとてもきっちりやっていますが、やはり今回の地震でも避難した人はとても少なかったようです。自分で判断して「大丈夫」とした人が、東日本大震災では多く被災しました。「前の地震ではここまで津波が来なかったから大丈夫」、こういった慢心が一番恐ろしいと言います。今回の地震もそうですが、やはり油断した時に大きな地震は来ます。毎日気を張って生活をすることは出来ませんが、備えを十分にして、いつでも避難できる状態にしておくことが大事です。
さらに、ここ数年で何度か起こっている震度6以上の地震は、なんと全部「夜」におきています。昼の判断力と、夜の判断力は全く違います。大きな地震で飛び起きて、通常通りの思考で避難できる人が何人いるでしょう。しかし、地震は待ってくれません。昼でも夜でも普段通り動けるようにするには、訓練しかありません。そうなると、やはり普段の避難訓練をどれだけしっかりやるかが大事になります。
さらに、お年寄りや子供にとっては、夜に起こる地震は昼に比べて脅威になります。そういった社会的に弱い存在の人を助けながら非難しなければいけない事も想定して訓練はしなければいけません。
これは日本だけでは無く、世界中で避難訓練をしっかりやる、という流れを日本から作っていくことが大事なのだと思います。
またいつ起こるかわからない大きな地震や災害。心の備え、物品の備え、両方しっかりしていきましょう。
オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc
現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。
南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp
本文:南部美人 五代目蔵元 東京農業大学客員教授
久慈 浩介
岩手県の銘酒として知られる「南部美人」は、カナダ・トロントでも味わうことができる日本を代表する酒蔵で、2011年3月11日の東日本大震災で被災した蔵のひとつだ。5代目である久慈さんは震災直後から日本酒を通じて地域復興の様々な取り組みを行ってきた。本連載では久慈さんが体験したことや復興の取り組みなどを寄稿してもらう。