原発に関するいじめ | 東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第57回】
こんな言葉が昨年末から今年にかけて日本では多く聞かれるようになりました。
原発事故で福島県から横浜市へ自主避難し、いじめにあった中学校1年生男子生徒の事が大きく取り上げられました。しかも、小学校時代に避難してから、5年以上もそのいじめは続いていました。
「なんかいも死のうとおもった。でもしんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」
いじめにあった子供の手記に書かれている一文です。こんな手記が残されていて、いじめにあっていることは明白なのに、なんと学校側はこれを見過ごしていました。
さらに、恐喝で数百万円のお金を巻き上げられていたのに、横浜市の教育委員会は、そのお金は「おごった」ということで、いじめではない、と当初見解を出したことで日本全国から大ブーイングが起きました。しかし、教育委員会はつい最近までいじめの事実を認めませんでした。
100万円以上のお金を、小学生がおごりますか?被害者からは詳しい聞き取りをせずに、加害者の言い分だけで調書を作成するなんて、今のいじめ被害の法律に違反していると専門家も言っていました。
何よりも、このいじめられていた子供は、自分のミスではなく、たまたま福島に住んでいただけの話で、そこから避難してきたら、だれもがこれだけの震災で福島の苦悩はわかっていると思っていたのですが、まだまだ日本にはそういった事をしっかりと伝えられない大人もいるのだと思うと悲しくなります。
しかも「賠償金をもらっているんだろう」というセリフでお金を巻き上げられ、生徒は学校側に再三訴えたのに無視され続けました。
なぜこんなことがおこるのでしょう?
日本はそんなにも思いやりの無い国なのでしょうか?横浜のこの学校だけがダメなのでしょうか?これは学校の現場があまりにも社会から離れていて、事なかれ主義が蔓延しているあかしなのだと思います。
全部の学校がそうでは無いとは信じたいのですが、日本から原発に関するいじめをはじめ、いじめ問題がなくならないのは、もう根本的なところが間違っていて、大きく壊して創りなおすくらいの事をしなければいけないと思います。
しかし、原発被害や、沿岸部の津波被害から転校してきた子ども達全員がそういう目にあっているともいえません。
仲良く、優しくしてくれる子供たちもたくさんいます。一部の心無い大人の指導不足で、被害者も加害者も子供たちが大きな傷を負っているのです。大人は、もっとしっかりしなければいけないと痛感しました。
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本文:南部美人 五代目蔵元
東京農業大学客員教授