フィギュアスケーターが金メダルを獲るには ❶木原三浦ペア|オリンピック選手もサポートするカナダ公認マッサージ・セラピストが教える身体と健康【第94回】

北京2022年オリンピックが終了しましたね。多くの人を魅了し、たくさんの感動を与えてくれました。アスリートの皆さんには敬意を表します。
個人的に今回一番気になったのは、日本のチームイベント3位、フィギュアペアで7位には入賞した木原三浦ペアです。トロント近郊のオークビルで練習を積んでいます。10年くらい前にサポートしていた日本人女子トップスケーターからの紹介を受けて来加した頃から片道1時間ほどハイウェイをドライブしてトロントまで通ってもらいました。木原選手は北京でオリンピック3回目出場のベテラン選手ですが、過去2回は十分なコンディショニングを整えることが出来ず、オリンピック期間中も壮絶な状況での戦いとなり、不本意な結果に終わったことを始めに聞かせてくれました。
トロントで木原三浦ペアたちと取り組んできたのは、
① トラブルを回避するコンディショニング。
② スケートと体の状態との関連性を見極めてスケートの不調を防ぐ。
③ 普段1週間程度の国際試合と違い、3週間程度の滞在となるオリンピックで、トロントを離れている間どのようにに乗り切るか?
でした。
③が頭痛のタネでしたが、辿り着いたのはコンディショニング方法を2人に丁寧に説明して自分たちでオリンピック期間中は対処してもらう方法です。
結果としては木原選手を8年間悩ませた問題もコントロール出来るようになり、連日メディアを騒がす爽やか旋風を巻き起こしました。
木原三浦ペアの目指す、「毎回自己ベストを更新して向上する」「いつも自分たちの前を素通りしていくメディアの人達に足を止めてもらい、ペアスケートの魅力を多くの人に伝えたい」という目標にだいぶ近づけたように思います。
私自身も、いつも自然体で努力を怠らない木原三浦選手をサポートさせて貰う機会を得たことにより、多くのことを学ばされる経験となりました。今後もどうぞ皆さんの応援を宜しくお願いします。
毎回オリンピックを見て思うことですが、オリンピックで戦えるレベルのアスリートは、実はみなさん実力にさほど大きな差は無いため、ここで良い結果を残すには、競技以外の部分でどこまで上手くストーリーを作れるかにかかっているということです。
オリンピックで上手く行くストーリーに必要なのは、
① 一定のレベルに達しているアスリート
② 十分な資金源
③ 色々上手いことやってくれる情報通な人
④ 体の管理ができる人
などです。
次号では、過去40人近くの日本およびカナダのオリンピックに出場したフィギュアスケーターをサポートさせてもらい培った知識や経験から、気付いたポイントをお話ししたいと思います。





