世界レベルで注目されている「ナイアガラのシャルドネ」|カナダワインすべてのみたいあじわいたい第9回
毎年7月にナイアガラで「I4C」というシャルドネのイベントが開催されます。世界中からワインの生産者やソムリエ、ジャーナリストが来訪し、試飲会やセミナー、ディナーなどのイベントが1週間にわたり開催されます。今年はパンデミックという事でオンラインでの開催となりました。
実はナイアガラ地区において一番生産量の多い品種はシャルドネで、世界レベルのシャルドネが数多く造られており、密かに注目されておりました。先日、イギリスの著名なワイン誌による「Decanter World Wine Award 2021」の結果が発表されました。オンタリオ州、Beamsville Benchに位置するHidden Bench Estate Wineryの「Felseck Vineyard Chardonnay, 2018」がカナダ産ワイン歴代最高得点となる97ポイントを獲得、さらにBest in Showメダルという特別賞を授賞しました。
Hidden Bench Estate Winery
2003年にティール氏により設立されたこのワイナリーはテロワールを重視し、国際的なベンチマークとなるワインと肩を並べるようなワインを造ることを目標としてきました。今回の受賞は名実ともにHidden Bench Estate Winery並びにカナダワインの品質、ポテンシャルを世界に披露しました。ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリングを中心に3つの有機栽培による自社農園から年間約一万ケースを限定生産しています。納得のいかない出来のワインは、自社ラベルでは販売せず、大規模生産者にバルクワインとして売却してしまった事もあるという徹底した品質基準を持っております。
ちなみにテロワールとは、土壌、地形、気候などの自然環境がワインの味わいに与える影響を意味します。シャルドネはテロワールを表現する品種として知られております。ナイアガラ産シャルドネと世界のシャルドネを飲み比べてみるのも良いですね。シャルドネはシーフードと相性が良く、オイスター、ロブスター、ホタテ、白身魚などの料理と楽しめます。Hidden Bench Wineryのピノ・ノワールベースの辛口ロゼ Locust Lane Rose 2020 や Felseck Vineyard Pinot Noir もお勧めです。