第67回「海外在住者あるある・日本一時帰国編」|カエデの多言語はぐくみ通信
海外に住んでいると、数年に一度日本に一時帰国する機会があります。私の海外在住者ならではの「あるある」体験をまとめてみました。
コンビニと自販機の商品チェック
日本のコンビニはもはや日本文化です。帰国するとまずはコンビニのお弁当やスイーツ、日用品、自販機の飲み物をチェックして、商品が新しくなっていることに感動し、スイーツは全制覇を目指します。屋外の自販機なんて海外ではまずお目にかかれません。壊されるのがオチだし、あっても汚くて買う気がしません。日本の公園にズラリ並んでいるピカピカ自販機の壮観に思わず写真を撮ってしまうのは私だけではないでしょう。
カナダ土産に困る
一時帰国のときは、海外のお土産を持っていくという大問題が待っています。何でもあるし何でもおいしい日本に持っていくお土産には、本当に頭を悩ませます。定番のメイプルシロップは人気があるけれど、メイプルクッキーは日本人には甘すぎるし、アイスワインも人によって好き嫌いがあります。
日本人がカナダのお土産物店で買っていくものに、なんでこんなのを買うのだろう?と思うことも多々あり、見慣れている物には感動がないので、何が日本人に響くのかが分かりません。カナダにはお土産文化はありませんが、自分が持って帰りたい物がありすぎて困ります。
食べ物がおいしすぎる
一時帰国の楽しみといえば、やっぱり食事。数か月も前から、これを食べたい、あれも食べたいとお店選びが頭の中を占拠します。日本の食べ物の豊富さとクオリティーの高さとリーズナブルな価格に感激するのですが、胃袋の容量は限られているのが悲しいところです。
カナダは外食時はチップに煩わされますが、日本の価格はすべて込みなのも嬉しい限り。チップのために愛想の良いサーバーと違い、心からもてなしてくれる日本の文化には感謝しかありません。
時間に正確すぎて焦る
海外では電車やバスは「遅れるのは普通」「定刻より早く通り過ぎた」「運休しても誰も文句を言わない」なんてことが当たり前です。日本の公共交通機関は正確さに命をかけているので頭が下がります。掃除が行き届いていてカナダの汚れきった乗り物が恥ずかしいです。VIAの乗り心地の悪さはどうにかならないものでしょうか。
時間の正確さは一般人も同じで、カナダではパーティに遅れてくるのは当たり前なので、15分や30分遅れることを気に留めていなかったら、日本では、招かれて行ったら皆が首を長くして待っていた、なんてことになります。
主婦の集まりは3時間が限度
数年ぶりに日本の友人グループと集まるため、日程合わせや場所選びに苦労し、持ち寄るものを相談して、やっと顔を合わせても3時間がマックス。誰かが「夫のご飯を作らないといけない」と言い出すといっせいにお開きになります。
最初は挨拶や持ち寄りの食べ物をお皿に移して綺麗に食卓に並べることに1時間は費やすので(私はプラスチック容器からでも食べられますが)、結局友人1人につき5分程度しか会話できないことになります。
日本人夫は、妻が数年ぶりの友人に会う時くらい自分のご飯をどうにかできないものなのかと驚きました。
容姿のコメントが多い
日本の家族に会うと早速、「太った?痩せた?」「その服派手だね」「もう少し髪を纏めたら?」とチェックされるのも恒例行事です。カナダ人からの容姿に対するコメントはまずありません。家族からの洗礼を受けた後に気を許していたら、友人のお母さんに「太ったね」と言われた時は目が点になりました。日本で(または海外で出会う日本人から)、初対面でまず年齢を訊かれるのも、久しぶりだとなかなか慣れません。
日本語がスムーズに出てこない
日本に戻ったときに日本語がスムーズに出てこない瞬間があります。たとえば、Costco(コストコ)やIkea(イケア)は私がカナダに移住してから日本に進出したので、どうしても英語名のコスコやアイキアと言ってしまいます。タックス、ガバメント、キャッシャー、ストローラーという言葉も日本語何だったかなと考えるとスムーズに言葉が出ず、友人に「日本語が下手になった」と言われてしまう始末です。仕方がないので英単語を挟むのもやむなしと気にしなくなりました。
ルールが違う
カナダでは他人のすることに対する許容範囲が広く、めったなことでは他人に注意などしません。日本では禁止されている乗り物内でのスマホ通話もカナダでは普通です。ヘッドフォンから大音量で音が漏れていた時はさすがに運転手が注意していました。
先日ジムの女性用ロッカールームに、外見は筋肉モリモリの男性が入ってきて一瞬驚きました。カナダでは、本人の性自認が女性であれば、見かけは男性でも女性用のロッカールームやトイレの使用は法律で認められています。そこで文句を言うと差別と見なされます。たいへんデリケートな問題ですが、その人もマニキュアをしたりイヤリングを付けることで少し女性らしさを出しているし、全く変な行動はとっていないので私も何事もないように振舞いました。初めてだったので驚きましたが、こういうところはカナダのLGBTQに対する寛容性を感じます。
日本に一時帰国するたびに「やっぱり日本は便利でおいしくて居心地がいいな」と思います。でも、同時にカナダの良さも改めて感じられるから不思議です。どちらにも一長一短があります。次の帰国では、また何か新しい「あるある」が増えるかもしれませんね。
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