第68回「海外在住者あるある・ 親の滞在編」|カエデの多言語はぐくみ通信

海外で暮らしていると、日本から両親が遊びに来てくれることがありますね。会えるのは嬉しいのですが、想像以上に大変なことも多いものです。うちの場合は父が強烈でした。両親が3か月滞在したときの「あるある」を振り返ってみたいと思います。
とにかく文句が多い
最初の関門は空港からでした。以前のトロント空港では、荷物用カートを借りるのに2ドル硬貨が必要でした。私は事前に両親に伝え忘れてしまい、当時は携帯電話もない時代で、父は他の乗客に借りたようです。到着した瞬間に「なんで言ってくれなかったんだ」と父からの文句がスタート。その後3か月の滞在中、ことあるごとに蒸し返されました。
また、観光中に少し長く歩かせただけでも父の不満が爆発します。夏の日差しの下、ほんの10分ほど歩いただけでだんだんと機嫌が悪くなり、黙り込んでしまうのです。こちらも一生懸命、休憩できる場所を探すのですがなかなか見つかりません。
我儘な父は人の苦労など気にかけません。小さな子ども2人の世話をしつつ、やっとカフェで冷たい飲み物を差し出してもむすっとしていました。旅行は楽しい時間のはずなのに、父の不満顔に気を遣う私の方がぐったりしてしまいました。
日本食材で高くつく
人を案内すると色々とお金を使います。滞在費として父がお金をくれましたが、物価を知らないので、観光の入場料、ガソリン代、外食代、食費を合わせると大幅に赤字。滞在中、父はほとんど日本食しか受けつけず、当時カナダでは日本食材の値段が円高もあって日本の3倍。食費が大きな出費の原因となりました。また父はお酒が好きで、毎食のビール代も食費を膨らませました。
極めつけは母が「カニが食べたい」と言い出したとき。さすがにそのときは「自分で出してね」と返しました。後で、父が自分から滞在費をくれたのにもかかわらず、「親から金を取った」と言うのを聞いたときはさすがに腹が立ちました。「せっかく来てくれたのだからいらない」と辞退するのを期待していたのでしょうか。
完璧なガイド要求

自分では一切調べものをしてこないのに、親が海外在住の子どもに完璧なガイドを求めてくる話はよく聞きます。
私が道に迷ったりすると、父が「こっちに住んでいても間違うんだな」と皮肉を言い、手間取るとイライラしているのがわかります。
観光プランを考えるのも、運転するのも、チケットを買うのも全部私で、ただ座っているだけなのに、少しでも不都合があると不満を言う。男尊女卑の父は、「娘が全部完璧にやってくれるのが当たり前」というお殿様感覚です。
たばこ事件
幼児2人がいるのでたばこは家の中では厳禁。夏なので外に出て吸ってほしいと前もって言ってあったにもかかわらず、私が子どもたちと2階にいるときにたばこの匂いが漂ってきました。1階に下りると父がたばこを吸っています。言ってあったのになぜ家の中で吸っているのか聞くと、「2階に行ったから大丈夫だと思った」とのこと。
父は1日2箱吸うヘビースモーカー。実家は壁もカーテンもたばこの匂いとヤニが染みつくほどでした。両親は姉夫婦と同居していましたが、その夫もヘビースモーカーでした。小さい姪が喘息で、咳き込んでいても気にせずたばこを吸う2人の姿には腹が立ちました。
ただ、今回は私の家です。家の中でたばこを吸わないで欲しいと反発しますが、父は屁理屈を並べ大声を出して私を威嚇します。私が折れないと、「たばこを吸わせないなら(外では吸っていいと言っているのに)日本へ帰る」と言いだします。自分では英語でチケットを取れないのは分かっていましたが、そこまで言うので私も悲しくて泣きながら吸わないでとお願いしました。
結局、私が用意してあった灰皿を持って裏庭のデッキでたばこを吸うことになりました。夏のカナダは湿度も低く爽やかなので、日陰なら気持ちがいいはずです。父は、日本で旅行したときに、禁煙席でたばこを吸っているところを注意されて逆切れしたことがあります。
ありがた迷惑DIY
滞在中あるあるの極めつけは、手持無沙汰ゆえ勝手にDIYを始めてしまうことでした。
リビングの家具に釘を打ちつけて子どもの身長計を掛けたり、庭に置いてあったジャングルジムになぜか床を取り付けるために、地下に保管してあったベッド用のすのこを無断で切って材料にしてしまったときは、本当に頭を抱えました。そのベッドは義父母から借りていたものだったからです。
義父母に謝りましたが(当然私たちが)、優しい彼らもさすがにいいいい気はしなかったでしょう。毎日仕事から帰るたびに、何かやらかしていないか、ドキドキしながら家中をチェックしていました。
母の手料理が救い
こうして振り返ると、父の滞在はまさに波乱万丈でした。文句の多さ、和食へのこだわり、たばこ、完璧なガイド要求、そして勝手なDIY。どれも笑い話にできる今だからいいのですが、当時は正直ストレスがたまりました。
ただ、救いだったのは、母が毎日おいしい和食を作ってくれたことでした(カナダ人夫は和食が大好きです)。夫婦共働きで忙しい私たちにとって、家に帰れば温かい料理が待っているというのは本当にありがたいことでした。
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