「コロナ禍で奇跡的に永住権を取れたこと」一宮 桃子さん カナダ歴:8年|私のターニングポイント第38回
一宮 桃子さんカナダ歴:8年
経歴:大学卒業後、病院勤務、貿易事務の仕事を経てカナダへ。アルバイト期間も含め約6年半勤めたラーメン屋を退職後、日本食のファインダイニングで経験を積み、現在は「割烹佐藤」で働く。週に1回、日本酒バーのSakai Barでも働いている。
大学を卒業後、就職したものの留学の夢が諦めきれず、ワーキングホリデーでカナダに。働く環境や仕事にやりがいを感じ、いつしか永住権を取りたいと思うようになった一宮さん。しかし、永住権取得したもののストレス性障害に罹り、精神的に不安定な毎日に。大好きな日本酒、唎酒師の資格を活かした仕事をしようと自分と向き合い、新たにやりがいと充実した日々を過ごしている一宮さんのターニングポイントとは。
年功序列の日本と違って個人の頑張りを評価してくれる職場にやりがいを感じる

永住権を取れたこと、というよりかは取った後という表現が正しいかもしれません。元々英語が好きで、就職したものの留学の夢を諦められず、ワーキングホリデーでカナダに来ました。
来てすぐにラーメン屋で働き始め、年功序列の日本と違って個人の頑張りを評価してくれる職場にやりがいを感じ、もう少しカナダに残りたいと思うようになりました。
そしてCo-opビザ、LMIAを経ていつしか永住権を取りたいと思うように。
申請しようと決めてからすぐにIELTSの勉強を始めました。コロナ中だったので、フィリピンのオンラインコースで3ヶ月ひたすら勉強しました。時差があるので、仕事が終わって帰宅し深夜2時からオンライン授業を受けるというなかなかハードな日々を過ごしました。課題も多く仕事との両立はかなりきつかったです。
そして申請準備をしている中、エージェントからIELTSのスコアが足りない、来年また申請しましょう、の連絡が来ました。その時は目標のスコアが取れたのに、また勉強しなきゃいけないのかと絶望を感じ、もう諦めようと思ってました。
その年の2月頃、政府が移民政策で永住権申請者に対しインビテーションを大量発給するという発表がありました。私は今回申請していないので関係ないと思っていたのですが、翌朝マネージャーから「インビテーションが来たよ!!」のサプライズ電話が。エージェントに確認したら「申請してました」とのこと。一生分の運をここで使い切ったと思いました。
コロナ禍という不安定な状況もあり、いつしかストレス性障害に。
永住権が取れても精神的に不安定な日々が続いた

永住権申請中にコロナ禍という不安定な状況、また仕事が大好きで頑張りすぎたのが祟ったのか、ストレス性障害になってしまいました。
朝ベッドから起き上がれなくなり、職場のオフィスで泣いたり、しまいには仕事を休むことが申し訳ない、自分なんかが休んではいけないと思うように。このままではいけないと思い、オンラインでカウンセリングを週に1回受けました。
その後永住権を取ったものの、精神的に不安定な日々が続きました。元々日本酒が大好きで唎酒師の資格を活かした仕事がしたかったのと、年齢的に今がチャンスだと思ったこと、さらに同期の社員の後押しもあり退職を決意しました。今思えばもう少し周りに助けを求めれば良かったと思います。同期が側にいてくれて本当に感謝しています。
大好きな日本酒、唎酒師の資格を活かした仕事をしようと決意
退職後は日本食の高級レストランでフードランナーから始めました。ファインダイニングのルールや聞いたことのない食材を学んだり、英語で料理説明するのはなかなか難しかったです。実際ファインダイニングで食事をしたことがなかったので、実際に色んなレストランで食事をしサービスを学びました。数ヶ月フードランナーをした後、ランチサーバーにポジションが変わり退職する直前にはトレーナーも経験しました。その後は「割烹佐藤」という高級日本食レストランでジェネラルマネージャー兼Beverage Directorとして働いています。
お客様から「今まで飲んだペアリングの中で1番良かった」「まさにこんなお酒が飲みたかった。お勧めしてくれてありがとう」の声を聞いた時が一番やりがいを感じます。また、オープンして翌年にはミシュラン一つ星とエアカナダの「The Best New Restaurant in Canada」で一位を頂いたことは大きな出来事でした。コネクションもかなり広がり、お客様や業者の方とご飯に行くこともあります。自分のやりたいこと、好きなことを仕事にすることができて、今は本当に幸せです。
■ いまの自分に点数をつけるとしたら?
50点
日本酒ももちろん、日本食についての知識もまだまだ勉強が必要だなと思っています。
■ 小中高校~大学時代のエピソード
私を知っている人は想像出来ないかもしれませんが、小中高校時代は自分の意見を主張するのが苦手で周りに合わせていました。授業も静かに聞いていたタイプです。そんな性格もカナダに来てすっかり変わりました。
大学時代は勉強とアルバイトに明け暮れてました。アルバイト先にいた社員の方が大の日本酒好きで、その方に日本酒を教えてもらいました。そこから日本酒が大好きになり、酒蔵を巡ったり日本酒バーに行くようになりました。いつしか酒豪というあだ名がつき、大学卒業時にはそのアルバイト先の方からお祝いとして日本酒の一升瓶を頂いたことも。その方がいなければ日本酒を知ることはなかったので感謝しています。
■ もし人生をやり直せるとしたら、いつ?
大学生の就職活動の時期。就職せずに留学すれば良かったなと思います。
■ 人生で大事なもの
思い立ったらすぐに行動。これがなければ永住権を取れていなかったと思います。あとは、常に感謝を口にすることと素直に謝ること。ただなかなか実践できていません。
■ 今後のライフプラン
ワインも大好きなので来年にはソムリエの資格を取ろうと思っています。また、サンフランシスコに行った時にレストランのレベルの高さに驚き、いつかアメリカで働けたらいいなぁと漠然と思っています。実は去年グリーンカードの抽選に応募したのですが、落選してしまいました。また今年も挑戦します。
-好きな本: 大越基裕『ロジカルペアリング』、東野圭吾全般
-尊敬する人:母
-感謝している人と一言メッセージ:母と前職の同期。実は永住権を取ったことは事後報告だったのですが、いつも見守りながら応援してくれて感謝しています。前職の同期は前ほど会えなくなりましたが、たまに会うとやっぱり一番落ち着きます。いつもありがとう!
-カナダの好きなところ:キャリアアップのための転職ならポジティブに捉えるところ。カナダで退職した際、同僚たちに報告したら「I’m happy for you!」と自分のことのように喜んでくれました。もちろん退職することに対して残念がってはくれますが(そうであって欲しい)、それよりも前向きに応援してくれたのはとても嬉しかったです。















