「記録的な猛暑が続く岩手。クーラーはぜいたく品?!」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第134回】
今年の日本はまるで熱帯地方のような暑さに見舞われています。東京の8月は全ての日が真夏日と、今まで経験の無い暑さになっています。私の住む岩手県も異常な暑さで、県北地域で最高気温が38度を記録した日もあり、夜になっても涼しくならない熱帯夜が続きます。
岩手県は北国ですので、夏はお盆までで、お盆を過ぎると、一気に涼しくなります。特に夕方から夜にかけては8月末にもなると、かなり過ごしやすい気温で、夜はクーラ―など使用せずに快適に眠れます。しかし、今年は異常です。夜の暑さがすごく、クーラー無しでは眠れません。
岩手県の家庭でクーラーが当たり前にある家はおそらく半分くらいでは無いかと思われます。あったとしても1部屋だけとか、みんなが集まるリビングにはあるけど、寝室には無い、みたいな家もたくさんあります。
熱中症は昼の熱い時間だけなるとは限りません。夜の寝ている間にも熱中症はあり、実際に今年は岩手県のお年寄りを中心に熱中症による病院搬送が大変多くなっています。それではみんなクーラーを入れたらいい、となるのですが、これも難しいです。物価高などもあり、もともと裕福な暮らしをしていない岩手県では、クーラーをどんどん入れる余裕のある家は少なく、電気代の高騰もあり、ためらっている人が大勢います。
さらに問題は、クーラーはぜいたく品、という意識が高い事もあります。東日本大震災で被災して、仮の住まいに住んでいる方々や、公営住宅などに避難している方々などは、クーラーはぜいたく品なので、入っていないところも多くあります。ぜいたく品のクーラーを市町村や県の補助で入れようとしても、必要品への補助はあっても、ぜいたく品への補助はほとんどありません。自分で建てた家ならば、少し節約してでもクーラーを入れようとなるかもしれませんが、なかなか難しいところです。
さらに、一番の問題はお年寄りがクーラーの涼しさを嫌う事が多いのです。クーラーは寒い、クーラーの風は体に悪い、という思い込みがまだお年寄りには多く、せっかく家族が熱中症予防でクーラーを買ってもスイッチを入れないで熱中症になるお年寄りも多くいます。これだけ災害クラスの暑さが続いているのだから、自分の身はしっかりと自分で守らなければいけなく、クーラーについての知識もアップデイトしないといけません。もう少し県全体でそういった知識の啓蒙などお年寄りにしていく機会が必要だと感じています。
9月も記録的な暑さと予想されています。とにかく熱中症は死ぬ病気ですので、くれぐれも気を付けていきたいと思います。
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