カナダでも能登の酒をインポーターが輸入して、多くの方々に飲むことで支援をお願いしたい|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第147回】
今年の1月1日に発災した能登半島沖地震。未だに被災地では復興のスピードが遅く、人々の生活はまだまだ日常には戻りません。
そんな中、今年の9月、能登半島を大雨の被害が襲います。まだ避難所にいるような状態で、大災害の大雨。神様はこの世にいないのか、と思うほどの仕打ちです。能登半島を中心に降り続いた雨は、15人もの死者を出しました。台風14号から変わった温帯低気圧がその勢いを増し、能登半島を襲いました。
まさに1月の震災と大雨、二重災害というあまりにも悲惨な状況です。被害の大きい輪島市、珠洲市、能登町で死者が15名。この3市町だけで死者が出ています。そんな中、復興支援の予算もつけずに、日本は衆議院解散。総選挙。何だか被災地のことは無視しているのではないかと感じます。
私の仲間の能登の蔵元も今回の大雨で、避難先の避難所が浸水被害し、今現在そこには住めない状況になっています。震災で被災した蔵の方は大雨の被害はありませんでしたが、住まいの方を移動しなければならず、大きな負担です。それでも彼らは「大丈夫、大丈夫」と私たちに言います。
「助けて、苦しい」と言ってもらった方がずっと私たちも覚悟が決まるのに。東日本大震災でも同じでした。「つらい、苦しい」ということが言えない、本音が言えない。二重災害なんて、私が記憶している最近ではほぼありません。震災だけでもとんでもない被害なのに、そこにさらに大雨の被害が重なるなんて、あまりにも辛すぎます。
でも、彼らが「大丈夫」というのなら、その「大丈夫」を信じながら、私たちは手を差し伸べなければいけません。
今年も新米が収穫され酒造りのシーズンがはじまります。能登の被災した酒蔵は、まだ今年は自社での酒造りは難しいです。また他の蔵を間借りしたり、一緒に製造したりします。昨年以上の能登の酒を購入していただき、応援に繋げてほしいです。出来る事なら、カナダでも能登の酒をインポーターが輸入して、多くの方々に飲むことで支援をお願いしたく思います。何よりも、二重災害で苦しい能登を忘れないでください。必ず復興に繋げていきましょう。
オンタリオ取扱い代理店: Ozawa Canada Inc
現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp本文:南部美人 五代目蔵元 東京農業大学客員教授