東日本大震災から14年|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第151回】

2025年3月11日、東日本大震災から14年の区切りの日になりました。あの日から14年。熊本の地震や能登の大震災。まだまだありますが、日本はあらためて自然災害の多い国だと感じています。
東日本大震災の追悼式典は今も行われています。岩手県では津波被害の多かった沿岸部での開催が多いですが、東北として見ると、国が関り福島で毎年開催されています。福島の原発の廃炉については、14年経過してもまだ先行きが見えません。それほど長い時間をかけないと、日本全体の負の遺産は無くならないのです。

いまだに福島の農産物には厳しい規制がかかり、海外では特に輸入禁止のところも多く、国内でも以前よりは良くなりましたが、いまだに福島さんに顔をしかめる日本人もいます。
これから何十年も福島の農家の方々はこの現実と向き合わなければいけません。しかも太平洋沿岸にあった原発の風評が、内陸部の一番遠い会津地方などにも同じ「福島」という事で及んでおり、福島の抱える悩みは大きいと感じています。
福島の日本酒に関しては、その近辺の10都府県も含めて、中国へ輸出がいまだに禁止されています。14年も経過して、農産物そのものでもない農産加工品の日本酒が禁輸になっているのです。しかも福島の日本酒は放射能がありません、という証明も全てとっているのにも関わらず、禁輸が続いています。他の国はほぼ全て福島さんの日本酒、ましてや福島近郊の10都府県の日本酒を禁輸しているところは無い状況なのに、どうしても中国だけが禁輸を今でも続けています。これは日本政府にも業界として、外交でどうにかしてほしい、と要望をしているのですが、どうする事も出来ていない状況です。
福島はそんな状況でも震災以降、酒造りに励み、全国新酒鑑評会で9年連続日本一に輝き、その品質の高さを国内外に発信しています。蔵元の努力がいつか報われることを祈っています。
岩手県でも沿岸部の物理的な復興はほぼ終了して、まちの形が整いました。それでも同じ津波が来たら、浸水しないか、という事ではなく、避難ありきのまちづくりは変わりません。以前よりはかなり良くなりましたが、津波から命を守る最大の行動は避難です。
近年は震災の語り部の活動も活発になり、震災の勉強のために修学旅行なども岩手県の沿岸部には来ることが増えました。しかし、心の復興が出来ていない人も、マスコミなどでは出ませんが、地元にいると多くいることがわかります。そういった、全ての人の心が前を向けるように、頑張っていきたいと思います。

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本文:南部美人 五代目蔵元 東京農業大学客員教授













