雪害|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第162回】

地球温暖化の影響で、ここ十数年、夏の岩手はとても暑くなりました。私が子供の頃は最高気温が30度を超えるのは8月に数日だけで、クーラーなど無い家の方が多く、お盆過ぎると朝晩は寒いくらいでした。
それが、この十数年の夏の暑さは異常です。もちろん北国岩手もそうなのですが、驚くべきは北海道の札幌などでも同じように夏、かなり暑い日が続きます。避暑に北海道に行ったのに暑すぎる、という話も多くなりました。
そんな温暖化で夏が暑くなり、地球自体が暖まってしまったのではないかと思っていますが、今年の冬の日本はとても寒く、大雪です。カナダも、もしかしたら同じかもしれません。私の住む岩手でも、1月から最低気温がマイナス二桁、最高気温もマイナスの真冬日が連発しました。いつもは2月になってからこのような強烈な寒さは来るのですが、今年は1月中旬から寒さが来ています。
さらにすごいのが雪です。岩手もそうですが、北陸や新潟、東北の日本海側も大変な大雪です。北海道も同じく大雪です。雪かきしていてそのまま雪に埋もれて亡くなる方も出ました。
岩手でも除雪が間に合わずに、盛岡市などの都会では、大きな道路は除雪になりますが、裏道の除雪が間に合わなく、すれ違いも大変な状況です。寒いので、降った雪も溶けません。
実は酒造りにはこの寒さは最高の環境なのです。「寒造り」と言って、寒い冬に酒造りをすると良い酒が出来ると江戸時代から寒造りが行われてきました。寒さは日本酒にとって最高なのですが、人間が生活するのは大変です。岩手の隣の秋田県では大雪がすごすぎて自衛隊に出動依頼もしたそうです。秋には熊の被害で自衛隊にお世話になり、冬は雪。本当に大変な状況です。
災害は地震や台風だけではなく、こういった大雪も大変な災害になります。怖いのは車に乗っていて、止まっていた車のマフラーに雪が詰まり、排気ガスが車内に入り窒息死してしまう事ですし、事故もとても増えました。
カナダも北国なので、雪の被害はさぞかし大変だと思います。私も岩手という、日本では雪国で暮らしていますが、雪は慣れているとはいえ、今回は本当に雪のすごさに圧倒されています。どうか少しでも早く雪害が無くなる事を願っています。

オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc
現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。
南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp

本文:南部美人 五代目蔵元 東京農業大学客員教授
久慈 浩介
岩手県の銘酒として知られる「南部美人」は、カナダ・トロントでも味わうことができる日本を代表する酒蔵で、2011年3月11日の東日本大震災で被災した蔵のひとつだ。5代目である久慈さんは震災直後から日本酒を通じて地域復興の様々な取り組みを行ってきた。本連載では久慈さんが体験したことや復興の取り組みなどを寄稿してもらう。













