住宅不動産マーケット動向|商工マーケット動向そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第87回】
待ちに待った短いトロントの夏のシーズンが始まりましたね。今回は2024年第4四半期と4月時点の動向を踏まえた賃貸マーケットと売買マーケットの状況についてお話したいと思います。
トロント不動産協会(Toronto Real Estate Board=TREB)による2025年第1四半期の発表はまだ出ていませんが、2024年第4四半期(10~12月)における賃貸物件募集件数は2万5478件、前年同期比17.5%アップとなりました。成約件数は1万1058件と、前年に比べて13.6%アップとなりました。クリスマスのある第4四半期は通常最も不動産マーケットがスローになっていく時期でもありますが、賃貸マーケットの募集に関する動きは変わらず活発に見受けられました。
昨年11月号でもお伝えしました通り、2024年は募集件数が増加したことにより、賃貸ニーズは高いものの借手にとってより多くの候補物件がマーケットに増えている状況が続いています(図1、図2)。


賃貸募集物件が増加した背景としては、依然として売買マーケットの停滞による売却と賃貸の同時募集を行う物件の増加と、新築物件の引き渡しによる募集物件の増加などが挙げられます。正式なデータはまだ出ていませんが、今年に入ってからの賃貸マーケットは募集物件は減らずに増加し続ける一方で、現時点においては供給過多の状況となっているように肌で感じます。そのため春を迎えた不動産シーズンが始まったものの、売買のみならず賃貸マーケットにおいても募集価格よりも低い金額で取引される物件のケースも見受けられます。

平均賃料を見ますと、バチェラー(ワンルームタイプ)は1940ドル、1BRが2424ドル、2BRは3154ドル、3BRが4011ドルと、3BRを除く間取りにおいて前年同期比で約3~9%程度のダウンとなりました。コロナ明けに最も賃料が高くなった2023年第2四半期の1BRの平均賃料2633ドルと比べますとその差は顕著に見られます。また成約件数は全ての間取りにおいて前年同期比約9%~25%アップと変わらず賃貸ニーズの高さを保っています(図3)。

一方、売買マーケットにおいて2025年4月のレポートによれば、平均不動産価格は110万7463ドルと昨年2023年4月に比べると4.1%DOWNでした。また、4月の新たな売り出し物件数は1万8836件と前年同月比8.1%UP、現在売り出し中の物件合計数は2万7386件と前年同月比54%アップで、売り出し物件の供給過多が賃貸にも同様の影響を及ぼしています。売出件数に対して、実際に売れた成約件数は5601件と前年同月比23.3%UPとなり、売買マーケットの厳しい状況を露呈しています(図4)。
4月のマーケットデータによれば、戸建(Detached)の成約件数は2556件と前年同月比21.7%DOWNとなり、平均不動産価格は132万4280ドルと前年同月比6.9%DOWNという結果になりました。
コンドミニアム(Condo Apt)の成約件数は1430件と前年同月比30.4%DOWNとなりましたが、平均不動産価格は61万8196ドルと前年同月比6.1%DOWNという結果になりました。
戸建もコンドミニアムだけではなく、セミでタッチやタウンハウスも含めすべての種別の物件において、成約件数と平均価格の両方で下がった結果になっています。
これは値段を下げてでも売ってしまいたいと思うオーナーが多い一方で、それでもなかなか売れない厳しい状況を物語っています(図5)。
昨年に引き続き、売買マーケットおよび賃貸マーケットともに今は買手・借手にとっては有利な状況と言えます。例年ですと4月からは不動産マーケットの動きが活発になり始める時期ですが、トランプ関税や政権交代、金利動向など様々な要素による影響を受けて、誰もが様子見の状況を続けているように思います。
これから夏の繁忙期のシーズンを迎え、今後マーケットは活発になっていくのか、どのように変化していくのか、引き続き注目したいと思います。
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