「場に合わせて、心に残るケータリングを」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話|#トロントグルメ部|食の編集部
春といえば、送別会、歓送迎会、卒業、就職など、別れと出会いが交差し、人生の節目が重なる季節だ。年末の忘年会やクリスマスシーズンに次いで、宴会やパーティーが盛んになるこの時期。ここトロントでも、人々の集まりが活発になってきた。トロントの魚屋さん「Taro’s Fish」にも、旬の鮮魚を使った刺身や寿司のケータリングの問い合わせが舞い込むという。
今回ご一緒したのは、OZAWA CANADAさんの創業40周年を記念した社員向けのレセプション。節目のひとときを彩る場に、太郎さんがどのような料理と所作で応えるのか。その“ケータリング術”を、間近で体感させてもらった。
笑顔を引き出すケータリング
会場となったホテルのバンケットルームには、およそ80名の来場者が集まり、にぎやかな雰囲気に包まれていた。ケータリングの依頼内容は、「ホテルのビュッフェはあるものの、今回は社内向けのイベントで家族連れや子どもも多いため、最初に寿司や刺身で特別なおもてなしをしたい」というものだった。
そのリクエストに応え、太郎さんが用意したのは、日本のウニやカナダ産の本マグロ、そして厳選されたポルトガルやニュージーランドの天然鮮魚を中心とした豪華な刺身プレート、そしてTaro’s Fishのマーカム店で人気を博している「ハンドロール」。さらには、太郎さん自らがカウンターに立ち、来場者の目の前で一貫ずつ丁寧に握る寿司のライブサービスも用意された。
テーブルの上には色とりどりの海の幸が並び、握りたての寿司に目を輝かせる子どもたちや、ひと口ごとに笑顔を交わす家族の姿が印象的だった。
原点は、目の前の笑顔と“美味しい”の一言

「ケータリングには昔から縁があってね。昔お世話になった舞レストランの青木さんや、懐石 橋本の橋本さんがよく現場に出てたんだよね。そのお手伝いを通して、いろんなことを学ばせてもらったんだ。」
そう語る太郎さん。日本料理人として修行を積みながらも、選んだのは「魚屋」という道。かつては、自分の店を構えて、お客さんの目の前で料理を披露する、そんな“レストランの主人”に憧れた時期もあったという。
「だからこそ、ケータリングの現場って特別なんだよね。目の前で握って、“美味しい”ってリアルタイムで声が返ってくる。お客さんが笑顔になる瞬間をその場で見られるって、ほんとに嬉しい。ある意味、あれは僕にとって“ギフト”なんだよ。すごく価値のある時間。」
規模も場所も自由自在。頼れるケータリング

ケータリングは、人数や予算、要望に応じて柔軟に対応してくれるという。
「数百人規模のパーティーや企業のレセプションのような大きなイベントから、自宅で開かれる気軽なホームパーティーまで、いろんな場面に合わせて用意できます」と太郎さん。
現場では、料理を囲む人たちの笑顔や、ふとこぼれる「美味しいね」の声に出会える。その一つひとつが、この仕事の価値をあらためて実感させてくれると、太郎さんは語る。魚を通して、人が集まり、喜びが生まれる。その瞬間に立ち会えることこそが、この仕事の一番の価値なのかもしれない。
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
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