Taro’s Fish 2号店(Markland店)が5周年ーコロナ禍から歩み続けた 地元密着のおもてなしが好評!|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話|#トロントグルメ部|食の編集部
コロナ禍に誕生したTaro’s Fish 2号店(Markland店)が、2025年で5周年を迎えた。豊富な手巻き寿司とあたたかな接客で、着実に地元に根を下ろし、多くのファンに支持されてきた。


店の代名詞とも言えるのが、十数種類にもおよぶ「手巻き(ハンドロール)」だ。ボリュームがあり、種類も豊富。何より、魚屋としての強みを活かした新鮮なネタと多彩なアレンジが魅力だ。人気のカスタムチラシ寿司とあわせて、他にはないユニークなラインナップを誇る。
地域に根ざし、手作りのあたたかさを届ける
店長の美智子さんは、「特にテイクアウトの手巻きが地域に根付き、いつの間にか近隣住民の定番となりました。小さな店なのにありがたいことに忙しい毎日です」と言う。手巻きの種類の多さは、他店にない強みだ。「特にサーモンだけでも5〜6種類あると思います。ネタに自信があるからこそ、味付けや内容を変えたバリエーションを提供できる」。背景には母体であるTaro’s Fishの新鮮な魚の仕入れがあり、「アイデアさえあれば、メニューはまだまだ開拓の余地がある」と語る。
明るく温かな接客と、女性中心のチームワークも2号店の強みだ。「自分の名前を呼んでもらえると、お客様は特別感を持ってくださる。そういう距離感を大事にしたいんです」と語る美智子さんが大切にしているのは、お客さんの名前と顔を覚えること。「『〇〇さん、いらっしゃい』と名前を呼ぶだけで、お客様との距離が縮まる。そうすると、『また行こうかな』と思っていただける」。その「近さ」が、この店ならではのアットホームな雰囲気を生んでいる。

5周年を記念して行ったプロモーションでは、子どもたちにも人気の照り焼きサーモンロールを特別価格で提供。150本以上を売り上げるなど、地域との強い結びつきを感じる結果となった。「親御さんが車の中で待っていて、お子さんが一人で買いに来ることもあるんです。怖くないお店、安心して来られる場所にしたいという想いはずっとあります」と話す。
地域に密着した店としての誇りと、未来への展望を語るみちこさん。「もっともっと地域に広がって、おいしい魚をたくさんの人に食べてもらいたい。ベジタリアンの方でも、実際に食べて『おいしい!』って驚いてくれることもあるんですよ」。
オーナー太郎さんが語るTaro’s Fishの歩みとこれから
「本当に、あっという間の5年でしたね」。そう語るのは、オーナー・太郎さん。2号店は、Taro’s Fish創業24年目にあたる年、コロナ禍の最中に誕生した。2025年で本店は30周年を迎えるが、2号店はこの5年間でTaro’s Fishの新たな顔となっている。
「美智子さんを中心にスタッフ一人ひとりみんなで支え合ってここまで来てくれました。特に清潔さや手作り感に対するこだわりは素晴らしい。2号店はTaro’s Fishの中でも特に希望を感じる店です」と感謝の気持ちでいっぱいだそうだ。
「そもそも2号店をつくろうと思ったのは、高知からたくさんの若い宝物のような人材が来てくれて、『夢』を持たせたかったからなんです」。1号店で全員一緒にやるのではなく、2号店を託すことで、誰かが店長となり、次には3号店のリーダーになる。そんなステップアップの舞台を作るためのチャレンジだった。
現実は理想だけでは進まない。「最近は本当に永住権などビザの情勢が厳しくなってきた」と語る太郎さん。それでも「小さな魚屋だからこそ、夢を持ち続けることの大切さは伝えたい」と願いを込める。
そんな2号店の運営を支えてきたのは、店長・美智子さんを中心とした女性スタッフたち。「みんな本当に力を合わせてやってくれている。女性の力ってすごいですよ」。明るさと清潔感、アイデアの豊かさ——太郎さんは、彼女たちのチームワークを「希望そのもの」と表現する。
人気の手巻きに関しては「もともとは他の店舗同様にお寿司があったんですが、途中から『もっと違うスタイルを』と思って手巻き寿司に切り替えたんです」。太郎さん自身、奥様の智亜紀さんと手巻きの可能性を信じてアメリカまで足を運び、研究を重ねてきたという。「今では2号店の手巻きはTaro’s Fishの名物。小さな店舗だけど、アイデアと味で勝負している」。
メニューの発案や衛生管理、店舗の清潔さまで、2号店は女性たちの存在がこの店のクオリティを支えてきた。「3店舗の中でも一番きれいだと思う」と笑う太郎さん。「手作り感もあり、トロント郊外のコミュニティーに溶け込んだ、まさに『地域密着型』の店になっています。一度来てもらえたら、この店の良さがきっと伝わると思います。近くに来たら、ぜひ立ち寄ってもらえたら嬉しいですね」。
2号店は、これからも人と人との距離が近く、手作りの温もりが感じられる場所であり続けたいという想いに満ちたお店だ。6年目、そして10周年に向けてさらなる進化が期待される。
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
Instagram & Facebook ➡ @tarosfish