【今月のネタ】ニュージーランド産の地魚が詰まった「Mix Box」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話|#トロントグルメ部|食の編集部
新しい年になっても、Taro’s Fishはいつも通りに店を開けている。僕もいつも通り、今年の挨拶をしに表じゃなく裏口からひょっこり顔を出す。「今日は何かコラムのネタになるような魚、来てますか!?」と聞きたくなる、あの感じだ。
入った瞬間、驚いた。目の前には、見慣れた魚よりも、むしろ“見慣れない魚”がずらり。色も形も名前も、ちょっと戸惑うくらい種類がある。実は毎週金曜日になると、ここには世界の漁港から旬の魚が集まってくる。ニュージーランドだけじゃない。ポルトガルやフロリダからも、その時季の“いいもの”が届く可能性が高い日だ。
箱を開けた瞬間に「今週のニュージーランドの海」が見える
中でも金曜日の主役は、ニュージーランドから直送される地魚の盛り合わせ「Mix Box」。これが面白い。マオマオ(Blue Maomao)、タラキヒー(Tarakihi)、ポラエ(Porae)など、聞き慣れない名前が並ぶほど、箱の中身はぐっと遠い海の匂いがしてくる。開けてみるまで分からないのもまた良い。今回はなんとウナギまで入っていた。


太郎さんは箱を指さして言う。「ニュージーランドの“地魚”が詰まったこの箱、ミックスボックスね。面白いんだよ。ざっくり言うとオークランドの近くの湾あたり。岩場っぽいところと砂地が混ざってるから、とにかく魚種が出る。派手じゃないけど、ちゃんと旨い。刺身にすると違いが出る。箱が届くのが楽しみだよね。勉強にもなると思うよ。天然魚だから、“抜群に脂が乗ってる”ものばかりじゃない。でも鮮度がいい。味わいはマイルドで、だからこそ口の中で新しさが立つ。脂が好きな人には物足りないって思うかもしれないけど、白身は白身の美味しさがあるからね」

“変わり種”を試せる理由は、信頼できる生産者との付き合い

届いた魚は刺身用に仕立てられ、週末の店頭に並ぶ。定番を楽しみながら、たまには変わり種の白身や、ニュージーランドの季節をまとった旬の鮮魚に手を伸ばしてみる。そんな選択肢が、ここにはある。

そして、こういう“変わり種”に踏み込めるのは、出会いがあったからだと太郎さんは言う。ニュージーランドの魚をつないでくれる人、バンクーバー拠点の「46 South Fish Co.」社長、マーク・アーウィン氏の存在だ。


「マークはニュージーランド出身でね。代々続く漁師の家系に生まれたんだ。五代目だったかな。小さい頃から海に出て育った、本物の漁師だよ。だから魚を見る目も扱いも、こだわりは全然違うね。彼との出会いで、こんなふうにチャレンジさせてもらえるのは楽しいんだよね」
2023年には、太郎さん夫妻はマークの案内でニュージーランドへ。サプライヤーを回り、魚が届くまでの流れや漁師の船も見た。旅は“見学”だけじゃない。「沖合に出て潜って、ロブスターを自分の手で捕まえるんだよ。獲れたてを船の上でBBQ。あの味は、言葉じゃ言い表せない」という。
だからMix Boxは、太郎さんにとってただの“盛り合わせ”じゃない。「生産者と会って、現場に行って、納得して仕入れる」——太郎さんのその姿勢が、知らない魚にも手を伸ばせる理由になっている。

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