「『水』は大変恐ろしいもの」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第133回】
東日本大震災でも「水」は大変恐ろしいものだと実感しました。津波となって沿岸のまちを飲み込んでしまいました。
2023年7月中旬、岩手のお隣、秋田県でも線状降水帯の影響で、今まで経験したことのない大雨に見舞われました。東北地方は台風の直撃がほとんど無い地域で、西の方から比べたら、川の治水が弱いと言われています。まさに、その川が大雨であふれ、秋田の県都秋田市は水に飲みこまれました。
秋田新幹線が到着する秋田駅前も水に漬かり大変な状況でした。報道によると床上浸水など住宅の被害が県全体で3229棟、土木施設は約140億円、農林水産関係は約77億円の被害だそうです。秋田市の駅前が浸水している映像は衝撃でした。秋田県で一番人口の多い秋田市が大きな被害により、夏休みなどの観光需要にも制限がかかる可能性があります。
また、秋田新幹線も数日にわたり運航停止。秋田県は陸の孤島となってしまいました。五城目町では亡くなる方もいたそうで、回復するまでにはかなりの時間がかかると見込まれています。
水の被害は恐ろしく、きれいな水で家が漬かったとしても大変なのに、こういった災害では下水があふれてその下水も含まれた水で家や田んぼ、畑が漬かります。これは汚染なども問題もあり、本当に後の処理が大変になります。東日本大震災の津波でも同じことが言えますし、津波の場合はさらに海の水ですので、塩の影響もありさらに大変です。
この大雨被害の後は、東北地方をはじめ、日本全土が熱波の影響を受けて、記録的な暑さが続いています。あまり暑さに慣れていない秋田県では、この暑さの中、回復作業をしなければいけません。これは本当に体に堪えます。熱中症などで倒れないことを祈っています。
さらに、秋田県は高齢化率も高く、お年寄りが一人で住む家なども被害にあっています。そういった家はお年寄りだけで修繕は出来ません。手伝いに行きたくても、近所の親戚もみんな被災しているので、なかなか前に進めません。お盆を無事に迎えられるのか、心配ばかりが募ります。
こういった災害で弱者になるのは子供とお年寄りです。政府による迅速な災害対応を強く望みます。秋田で起こった事は、岩手でも起きます。沿岸部じゃないから津波は来ない、と簡単に考えず、水害は津波だけではないことをしっかりと意識して生活していかなければいけません。
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