「暑すぎる夏、寒い冬」|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第137回】
2023年12月。岩手もやっと雪が本格的に降ってきました。夏の暑さ、残暑の長さを考えると、今年は本当に冬になるのか?と疑ってしまうくらい、暑い夏でした。
夏の暑さに私の住む東北の人は弱く、そもそもクーラーがついていない家の方がまだ多いのではないかと思うくらいです。昨年の夏は岩手県ではクーラーがかなり売れたみたいです。ただ、設置する専門の人が少なく、買ってから一か月も待って設置されたとも聞きました。
夏の暑さは、世界で見ても、すでに災害レベルになっています。しかし、冬の寒さは、毎年「寒い、寒い」と言っても、その寒さが直接原因で死ぬ人は、おそらく夏の熱中症よりも少ないはずです。もちろん、冬の山に登る方々は寒さ=死になる方もいるかと思いますが、普通に生活していると、寒さが直接原因として亡くなるよりも、岩手とか寒い地域は暖かいところからいきなり寒いところへ移動することで、気温差による血圧の乱れで亡くなる人はいます。
いわゆるヒートショックと言われるものです。特に多いのが暖かい部屋から、寒い脱衣所やお風呂で起こる事が多いです。今の北国の新しい建物や、マンションなどは暖房のシステムが大変よくなり、浴室や脱衣所、場合によってはトイレや玄関まで暖かく出来ます。こういった新しい家やマンションならいいのですが、昔からの寒い家に住んでいる場合は気を付けなければいけません。
それでも、冬はどんな形でも「暖」を取れます。古い家では石油ストーブや薪ストーブでも暖は取れます。新しい家ならエアコンや床暖房などもあるでしょう。江戸時代だって、その前だって、冬は火を使う事で暖を取る事は可能でした。しかし、夏は江戸時代もその前もクーラーという機械はありません。おそらく今の熱中症などのような状況は変わらなかったと思います。何となく、寒い冬の方が「凍死」という言葉もあるように、怖いのですが、冬は昔から暖かくする知恵を人間は持っていた、ということです。
そんな寒い冬は日本以上にカナダは厳しいでしょう。暑すぎる夏、寒い冬。どちらがいいのかは人それぞれですが、間違いなく暑い夏はこれからどんどん加速してさらに暑くなるでしょう。寒い冬をある程度楽しみながら、暑い夏に備えていきたいと思います。お体に気を付けて2024年もどうぞよろしくお願いします。
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