第75回「海外で着物を着よう」|カエデの多言語はぐくみ通信
先日、友人の子どもが来てわが家で食事をしていた時に、その子の両親が料理をまったくしないと話していました。他の友人知人にも料理をしないと公言している人がいて、カナダでは料理をしない人が意外に多そうです。
テイクアウトや外食が増えている
移民の国カナダでは、民族バックグラウンドによって違いはあるでしょうが、2019年の統計によると、54%の人が週に1回またはそれ以上外食を利用していたそうです。さらに、同じ年の家庭の食費のうち、27%が外食に使われていたというデータもあります。
コロナや物価高の影響で、外食頻度自体は減少傾向にあるものの、代わりにデリバリーやテイクアウトが広く利用されています。
わが家はカナダ人の夫も私も料理をし、成人した子どもも加えて、ローテーションを組んで夕食を作ります。外食は記念日や映画を観に出かけた日、テイクアウトは家でゲームをする日など、非日常を楽しむ時に限っていて、料理をしないことは私たち家族にとっては特別なことです。
カナダでは、食事や料理はどう位置付けられているのでしょうか。
カナダ人は何を食べる
カナダ人の料理は日本人とは意味合いが違うようです。
手作り料理=材料から作る食への拘りが強い日本人に対して、冷凍食品や加工食品を多く使う料理も、カナダでは料理の範疇に入るようです。レパートリーも限られていて、冷凍ピザや瓶詰めソースをかけたスパゲティにサラダを添えたもの、夏にはハンバーガーなどのバーベキューが頻繁に食卓に上ります。2020年の統計では、約35%が「週に数回」冷凍食品を調理するとされていて、冷凍食品や加工食品、そしてデリバリーを使うことへの心理的抵抗が低いと言えます。
わが家では比較的、材料から作ることが多いです。誰も料理をしない日には、残り物を食べたり、冷凍食品を使いますが、それも週に1日あるかないかです。夫婦どちらも美味しい物を食べることが好きで、料理に時間をかけることを厭わない性格であると言えます。
カナダには学校給食がないのでランチを持っていかせますが、一般的にカナダ人が子どものランチボックスに入れるのは、簡単なサンドイッチ(ピーナッツバターとジャム、またはハムを挟んだもの)、クラッカー、チーズとリンゴなどで10分ほどで準備は終わります。私は日本式のお弁当を作っていましたが、他のアジア系移民の子どもは前夜の残り物を持っていくと娘が話していました。
料理をしない理由
料理をしない理由として最も大きいのは、「時間の節約」と「利便性」でしょう。共働き家庭が多く、調理にかける時間が限られています。約40%が「忙しい」「料理が嫌い」「料理ができない」、だから外食すると答えています。家での食事は手軽に済ませられるもの、味や栄養価に拘るより利便性を優先し、美味しい物は外食で誰かに作ってもらうもの、と切り分けているように感じます。
カナダ人は、無理に手作り料理を出すことが家族への愛とは考えていません。また、誰からもそのような愛情表現を無理強いされません。他のことで十分家族に尽くしていると考えます。単に、生活における食事の位置づけがそれほど高くないことが見て取れます。
ただ、調理の基本を知らないので、簡単な手間でも美味しく栄養価の高い食事ができることを知らない、または、親から教わっていない、という要因もあるのではないでしょうか。
料理をしないことのメリットとデメリット
料理をしない生活にはメリットとデメリットが存在します。
最大の利点は時間の節約であり、仕事や、子どもの習い事の送り迎え、または、子どもと余暇を過ごす時間に充てることができます。また、調理の後片付けの負担も軽減され、キッチンも汚れません。
一方で、外食や加工食品に依存すると栄養バランスが偏りやすく、塩分や脂肪分を多く摂り、野菜や果物に含まれるビタミンや繊維質の摂取量が減少する傾向があります。もちろん食費が嵩みます。子どもに、体に良い食物を教える食育の機会も減るでしょう。
料理をしないことの子どもへの影響
子どもへの影響としてまず挙げられるのは、食習慣の形成です。家庭料理が少ないと、栄養バランスへの意識や調理スキルが育ちにくくなります。
私も独身時代は自分の興味のあることに時間を使い、ほとんど料理はしませんでした。結婚して、まして子どもができると、家族に栄養価が高く美味しい物を食べさせたいという気持ちが湧きました。日本的な考え方かもしれませんが、カナダ人の夫も同じ考えです。
食事は体の細胞を作る大事な要素で、食習慣は成人病に大きな影響を与えます。義弟はテイクアウトの食事が多く、喫煙の影響もあったのか、50代前半で2度心臓発作を起こしました。
まとめ
カナダでは、料理をしなくても生活が成り立つ社会構造や文化があります。食事にも「効率」が優先され、料理ができることは生活に必須の技能ではなく、選択する行為と考えられています。忙しい生活、優先順位、物価や文化的背景といった複合的な要因が、料理をしない生活の理由になります。
ただ、外食やデリバリーに頼りすぎると家計を圧迫し、ひいては成人病の原因となります。子どもに調理を教えることで、何が体の中に入っているのかを意識させることも、大事な教育ではないかと思います。
【参考】
Government of Canada
https://www150.statcan.gc.ca/n1/pub/82-003-x/2021008/article/00003-eng.htm?utm_source=chatgpt.com
Canada Convenience Store News
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